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初めての蕎麦屋に入ったときには、
その実力の程を知るために、
『かけ』と『せいろ』を頼むという蕎麦通が多い。
そんな注文が入ると店主のほうも、
『おっ!何者!!』と厨房の暖簾の陰から、
鋭い視線を送ったりしちゃいます。
開店当初はそんなお客様が見えられると少々緊張もしたのですが、
今は『たくさん使ってくれてありがとねぇ~!』
と感謝こそすれ、構えてしまうことは無くなっちゃいました。
だいたい蕎麦屋の力量なんてぇもんは、
『せいろ』1枚食べれば分かります。
んで、気の効く店なら食べ終わる頃に熱々の蕎麦湯が出てくるので、
残った汁に、慎重に味見をしながら蕎麦湯を入れ、
かけ汁の濃さにします。
そこにとっておいた蕎麦を入れると、なんとかけ蕎麦の出来上がり。
ただ単に濃いだけの汁ではなく、
良い鰹節を使い、きちっと出汁を取った力のある汁は、
蕎麦湯で割っても水っぽくならずに同じ味で伸びるのです。
今度お初の店に行ったなら、ぜひそんな食べ方をしてみてください。
『お客さん!なかなかやりますなぁ~。』
なんて言われるかもしれません。


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先日久し振りに師匠が登場した。
『最近の蕎麦、ちぃーと歯ぬかりしとらんかぁ~』。
言われる前に気になっていました。
当店が目指す江戸前蕎麦の本流。
くちゃくちゃ噛まなければ呑みこめない蕎麦ではなく、
噛まなくてもいい蕎麦。
一気呵成に手繰れる蕎麦が一番旨い。
噛んで食べる田舎蕎麦を否定するわけではありません。
それはそれで美味しいと思うのですが、自分の好みではない。
『あらよっ!』とお出しして、『あいよっ!』と3分程で食べていただける最適の蕎麦。
噛んで発生する蕎麦の香りではなく、
喉元を過ぎる辺りで『おっ!』と感じられる細めの蕎麦。
そんな蕎麦を食べていただきたくて3年間やってきました。
ところが繋がりを重視するあまり、
棒練をはじめとする練りが過ぎているんじゃないかと。
練が過ぎると粘りが出る。
同じ細さでも打ち方によって歯ぬかりがします。
サクサクと歯に当たり、
少々歯を押し返す腰の強さが理想です。
打ち方を変えてみました。
今んとこ師匠は何にも言ってくれません。
しばらくこのやり方でお出ししていきます。
どんなご意見、ご感想でも言っていただければ助かります。
隣町のT町からいらしてくれるIさんご夫婦、
蕎麦前の日本酒から始まり、(奥様はハンドルキーパーです!)
天ぷら盛り合わせ、せいろ、締めのわらびもちと、
まさしく『にの字』のすべてを召し上がってくださるお客様です。
先日ご主人がこんな事をおっしゃった。
『蕎麦は一気呵成に食べなきゃいけないんだけど、
僕は食べるのが遅いんでなかなかそうは出来ないんです。
でも食べていくうちに蕎麦の香りが強くなるような気がするんですよねぇ~。』
『ご主人、蕎麦食いの免許皆伝です!!』とお答えしました。
蕎麦の香りは気をつけていなければ分からないほど微かなものです。
そこいら辺のソバ屋さんの水切りが悪いびしょびしょの蕎麦では水の匂いしかしない。
香りが一番強くなるとき、それは蕎麦の表面の水が切れた一瞬。
せいろの注文が入ると、『にの字』では洗い上げて振り笊に入れた蕎麦をこれでもかというほど振り切ります。
一番良い状態で食べていただきたいと思っているからです。
香りもですが、きちっと水切りがされた蕎麦の特色。
それは蕎麦がのびないこと。
蕎麦がのびる原因は表面の水気を吸うからです。
今もあるかどうか分かりませんが、
函館本線の長万部駅に蕎麦の駅弁がありました。
経木の折りに入った蕎麦を冷たいつゆで食べるのですが、
箸でつまみあげるとごそっと塊で持ち上がるので、
一緒に買い求めたお茶を振りかけてほぐしながら手繰るんです。
旅行という特別な場面のせいもあったのでしょうが、
自然に水切れが出来ていたためか、そこそこに美味しかった記憶があります。
ちなみに、洗い終えた蕎麦を締めるためにかける水を化粧水といいます。
当店では良水と言っていいレベルの紋別の水道水を、
さらに浄水器にかけて使っています。
湧水に近い水の香りと蕎麦の香り。
季節柄、温かい蕎麦の注文が多いこの頃なんですが、
そんなことに思いを馳せながら、
せいろを手繰るなんてぇ~のも粋なもんですよ。
紋別市内では当店だけの品書き『牡蠣蕎麦』を、
11月後半からご提供しています。
出来るだけサロマの牡蠣を使い、『にの字』独自の方法で、
ギリギリの火の通し方により牡蠣の旨みとコクの両方を味わって頂ける、
そんな調理方法でお出ししています。
何回も試食を重ね、『よし!最高!!』というところまで磨き上げた自信作です。
ところが売れ行きが今一芳しくない。
同じく季節のお蕎麦として紹介している舞茸天蕎麦は絶好調なのです。
原因は値段かもしれません。
舞茸は800円、牡蠣は1000円。
千円札一枚でおつりが有る無しの違いは大きいのかなぁ~。
まさに不景気ここに極まれりの感。
仕込んだ牡蠣は3日で入れ替えます。
まかないで頂く蕎麦も牡蠣蕎麦が増える。
『今日も贅沢だねぇ~。』と言いながら食べてます。
とほっ!

早いもので今年も残り僅かとなりました。
年越し蕎麦のご予約も始めております。
汁付きで1人前400円です。
蕎麦粉の準備の都合などで100食が限度かと思います。
どうぞお早めにお申し付けください。


当店の品書きにはいわゆる『天ざる』『天せいろ』はありません。
『天ざる!!』
と御席に座るなり注文するお客様が結構いらっしゃいます。
どうしてもという方には、
海老天、ごぼう天、掻き揚げ天などを別盛りにしてお出ししています。
『天せいろ』をやれば海老、いか、野菜など天麩羅5点盛りで1500円近くを頂戴できます。
お客様一人当たりの単価も上がって非常に喜ばしいのです。
でもやりません。
なぜなら蕎麦と天麩羅はまったく別々の食べ物で、
そばつゆを仲介役にして暖かい海老天蕎麦になったり、
冷たい海老天おろし蕎麦になったりすることで、
二つの食べ物が一つになるような気がするのです。
別盛りの天ざるが蕎麦屋の品書きに登場したのは戦後のことです。
お江戸の昔から天麩羅蕎麦といえば、
揚げ置きの冷めた海老天を暖かい蕎麦に載せたものでした。
そうすることで天麩羅の衣も剥がれにくくなり、
そばつゆもそんな天麩羅に合った辛いものになっていたようです。
天ぷら蕎麦を注文し食べようとした途端、
海老天の衣がずる剥けちゃって見るも無残な形になることがあります。
そんな時にも蕎麦屋さんを責めてはいけません。
出来るだけ熱々を食べて欲しいという気持ちの結果なのです。
江戸蕎麦を目指す当店では三つ四つの注文が重なり、
そのなかに海老天が混ざるとまず最初に海老を揚げて最後にお出しするようにしてます。
そうすることで少しでも衣が剥がれないようにしたいからです。
なーんちゃって今日はいささか理屈っぽいことを書いちゃいました。
要するに『天ざる』『天せいろ』は店主が嫌いなだけ。
そばつゆで食ってくれとばかりに、
天つゆも塩も出さない蕎麦屋は言語道断。
だったら最初からぶっかけで食べる。
つい先日、自分の好き嫌いを押し付けちゃいけねぇ~と書いたばかりみたいな気がしますが、
行く末そんなに永くはない蕎麦屋の我儘と,
どんぞお許しください。









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