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9日の日曜日はすざましい混み様だった。
滝上町芝桜観光のお客様も相当数いらっしゃる。
いつもの時間ではなく、3時過ぎにクロネコさんが荷物の配達に来た。
あまりの車の台数にびっくりして出直したそう。
2時半には夜のご予約の8名様分を取り置き、売り切れ仕舞い。
この日は二人の孫の運動会。
応援に行けないジーサンに出来ることはこれだけと、
前の日からほとんど寝ないで『にの字特製唐揚げのみのオードブル』を作った店主は最初からフラフラ。
店を閉め、まかないを食べる頃には足が痙攣をし出した。
自分の体力の限界を知る。
気合を入れ直して夜の『天ぷら会席』の準備に取り掛かる。
お得意様の滝上町I『I』さんのご予約とあっては、お断りする訳にはいかなかった。
名古屋から移住してきた弟さんのお子さんの運動会の打ち上げだそう。
引き攣る足をかばいながら最後のデザートまで出し終えた。
『すべて美味しかったです!』とのお帰りの言葉に癒されるが、
シンクを見れば洗い物の山。
本日のお客様の総数47名様。
今年の新記録である。
ボーッとした頭に『明日やればいいしょっ!定休日だし!』と悪魔のささやき。
血液型はO型だけど変なところに几帳面な性格。
開店以来の自分に対する約束事、その日の汚れはその日のうちに片をつける。
当たり前のことだが、これが出来なくなったら商売の潮時だと思っている。
皿を拭きあげ、床掃除を終えたら10時をはるかに回っていた。
倒れこむ様にして眠っても翌朝3時には目が覚める。
朝日を浴びてピンク色に染まるスカイタワーや道都大跡地を眺めながらの仕込みの作業は至福のひと時。
フライヤーやガス台の掃除もすると、あっという間に月曜日は過ぎて行く。
蕎麦屋のくせに週休2日は休み過ぎだとよく言われる。
だが年齢を考えると1日の完全オフは譲ることが出来ない。
ゆるゆるのんびりとやっていこうという願いは、はるか遠くへ行ってしまった。
あと何年出来るか分からないけれど、
せいぜい体の管理に気をつけて、蕎麦を打ち続けていきたいと思う。
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『達磨』と呼ばれる高橋邦弘蕎麦打ち名人。
1日に1000食以上打ったという逸話がある彼の姿勢は、
背中も腰も前方に曲がり、蕎麦打ちの基本姿勢が普段の姿になっている。
自分はどうか。
もともと姿勢はよくない。
それに加えること5年の蕎麦屋暮らし。
風除のガラスに映る横向きの姿は既に名人級である。
朝の3時の蕎麦打ちに始まり、7時の閉店までの作業は前のめりの仕事ばかり。
そのためだと思うが、最近足の裏が変化してきた。
常に体重がかかる指の付け根の辺りに、タコみたいのが2,3個できて腫れ上がる。
これが痛くてしょうがない。
おまけに歩行時のバランスが崩れてしまう。
週末の大忙しのときなど、狭い厨房で擦れ違う際によろけてパートさんに掴まってしまうことが度々。
『やだ!大将!スキンシップ多過ぎ!!』
なんて思われてるかもしれないが、言い訳するのも面倒なのでそういうことにしている。
体力勝負のこの仕事、長々と続ける気持ちはさらさら無い。
でもこの蕎麦を食べに来てくれるお客様がいる限り、
限界まで命を注ぎ込み蕎麦を打っていこうと思う。
そんな素振りは見せないけどね。
今回の休み、『トム様』の『オブリビオン』見てきました。
そこそこに良く出来た映画です。
『核』の問題について改めて考えてしまう。
福島原発の処理の先行きが見えぬまま、
原子力発電のプラントを海外に政府が率先して売り込むこの国の姿勢は変です。
蕎麦屋の姿勢は前屈みでも一向に構わないが、
国の姿勢は常に中立であらねばならない。
第二次世界大戦の際、東南アジアや中国、韓国に武力で侵略した事実を忘れてはならない。
福島の廃炉の行く末が決まらぬまま、
原発マネーという存在に後押しされ、中近東に原子力発電所を受注させる今の政策は、
戦前のこの国の姿に重なって見えて仕方が無い。
叔父さんが大工の棟梁だった。
最盛期には住み込みのあんちゃんを何人も抱え繁盛していた。
年の近い従兄弟がいたので週末には泊り掛けで遊びに行く様な家。
ある日、作業場で遊んでいて、木の切れ端で何かを作ろうということになった。
道具置場にあったカンナや鋸を何の考えも無しに使う。
その日の夕方、仕事から帰ったあんちゃん達のリーダーTさんに呼ばれた。
従兄弟と二人、正座をさせられる。
『大工にとって道具は命より大切なもの、ガキが触っちゃなんねぇ~!!』
たんこぶが出来るほどの拳骨を食らった。
カンナの木屑を詰まったままにしておいたのが見つかってしまったのだ。
それ以来、道具を大事にする心が芽生えたので、Tさんに感謝である。
カンナは使いこなしが難しい道具。
職人が一気に引いたカンナの後の木肌は何とも言えない艶めかしさだ。
蕎麦も断面の色艶が大切な食べ物。
包丁の当る切り面は艶があって当たり前。
問題は延し面の状態である。
乾麺のように強力な圧力を掛けて延したならつるつるになる。
だがそれでは汁の絡みも無く、口当たりも喉越しも悪い味気の無い蕎麦になる。
適度に圧を掛け、打粉を使わず、適正水分量で延された蕎麦は、
艶はあるけれどざらつきもあり、汁もついてくる旨い蕎麦になる。
毎日そんな蕎麦を打てるよう頑張っているが、満足の行く蕎麦は打てない。
全国的にその名を知れる千葉県柏市の名店『竹やぶ』店主、阿部孝雄さんは、
数年前に初めて納得の行く蕎麦を打って以来、蕎麦打ちを止めたそう。
もちろんそのレベルは、自分のようなペーペーの蕎麦屋が想像できるようなものではなく、遥かな高みを行く蕎麦である。
でも真似をしたい。
『今日最高の蕎麦を打つことが出来ました。
明日以降、こんな蕎麦は打つことが出来ないと思うので、
本日をもって閉店します。』
なんて張り紙をして店閉めたらカッコえぇ~ですのぉ~。
『食べログ』というネットで有名なサイトがある。
来店されたお客様の評価によって、点数が付けられるシステムである。
お蔭様で、この管内では常に上位にランクされありがたく思っている。
寄せられたコメントの中で気になったのが一つ二つ。
『蕎麦の香り』が少ないとのこと。
勘違いされている方が多い。
蕎麦の『香り』は『匂い』では無い。
先日もせいろを注文されたお客様が、運ばれてきた蕎麦に鼻を近づけ、盛んに匂いを嗅んで首をかしげている。
江戸前蕎麦の香りはあるかなきかのもの。
甘皮も挽き込んだ田舎蕎麦とは違うってもんである。
勢いよく啜り込んで鼻の奥で感じるのがこの店の蕎麦の『香り』。
どうぞもぐもぐ食べないで、粋にささっと手繰りこんで欲しいと思うのであります。
さて、『香り』や『匂い』の記憶は時空の彼方を超えて人を運べる道具。
街角で擦れ違った女性のコロンの香りが、40数年前のほろ苦い思い出に結びつく。
街にも『匂い』がある。
紋別は魚系の匂いだが、学生時代を過ごした相模原近辺は植物系の匂いがした。
ご常連の奥様が、このつたないブログを呼んで下さっているそうで、ご出身が相模原女子大。.
たびたびここで取り上げるあの近辺の事柄に、懐かしさを覚えていただいている様である。
相模原女子大は通称『サガ女』。
良家のお嬢様の名門校として知られる。
自分が通った桜美林とは雲泥の差。
相模大野や町田ですれ違う姫達を何時も眩しく見ていた。
そんな記憶に寄り添う匂いは沈丁花の香り。
あちこちの生垣に植えられた沈丁花は、雨上がりに一際香り立つ。
お祭りの夜店で売っているのを買ってみたが、何ヵ月もしない内に枯らしてしまった。
電車賃を節約するために、相模大野から東林間まで歩いた道すがらの溢れるようなあの香り。
もう一度嗅いでみたいと思う。
蕎麦打ちの中で麺体を包丁で切る作業は難しそうに見える。
『よくこんなに細く同じ幅に切れますね』と、たまに言われることがある。
『えぇ、まぁ』なんて返事をしてごまかしているが、
昔から『切り三月、延し三年、木鉢一生』と言われるとおり、
蕎麦を切るのは難しいことではない。
きちんと水回しがされて均一に伸された麺体であれば、
力を入れず駒板に当てた包丁を少し前に押し出す動作をリズミカルに繰り返すことで、
同じ細さに切り揃えることは簡単である。
だが最近包丁仕事の調子が取れなくなってきた。
思い当たる原因は指のひび割れ。
一日中水仕事の蕎麦屋には手荒れがつき物。
力の入る親指は特に酷い。
真皮に一皮のひび割れの痛みは、作業のバランスを崩す。
親指をかばい他の指に変な具合に力が入り、
包丁の握りがきつくなる。
『スカコン』、『スカコン』という包丁と駒板が奏でる小気味の良い『駒鳴り』は、
余計な力が抜けた正しい包丁仕事の音。
指は蕎麦屋の命。
日頃のケアに心がけ、正常な状態に保たなければならない。
さて、我が国のソプラノサックスのトップ『本多俊之』氏。
昨年秋、突然のご来店。
その際、来年のホワイトコンサートにまた来るので、
『刻み鴨せいろ』をぜひ食べに来たいと言われた。
コンサートは2月18日の月曜日。
いらっしゃるのであれば日曜日だと思い、準備してお待ちしたが肩透かし。
後で関係者の方に話を聞くと、同行した女優の宮本信子さんに美味い蕎麦を食べさせてあげると、
飛行機の中で話をされていたそう。
ところが空港で出迎えた実行委員会の方々が、どーっちゅうことの無いラーメン屋に連れて行ってしまった。
ホワイトコンサートは狭くて音響の悪い会場だったが、素晴らしい演奏に浸ることが出来た。
その後、本多さんのオフィシャルブログに『待っていたのに!』と未練たらしいコメントを寄せた。
するとなんと丁寧にコメントを返してくれたのである。今度は必ず伺うと。
お待ちしています、本多俊之様。



 
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