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叔父さんが大工の棟梁だった。
最盛期には住み込みのあんちゃんを何人も抱え繁盛していた。
年の近い従兄弟がいたので週末には泊り掛けで遊びに行く様な家。
ある日、作業場で遊んでいて、木の切れ端で何かを作ろうということになった。
道具置場にあったカンナや鋸を何の考えも無しに使う。
その日の夕方、仕事から帰ったあんちゃん達のリーダーTさんに呼ばれた。
従兄弟と二人、正座をさせられる。
『大工にとって道具は命より大切なもの、ガキが触っちゃなんねぇ~!!』
たんこぶが出来るほどの拳骨を食らった。
カンナの木屑を詰まったままにしておいたのが見つかってしまったのだ。
それ以来、道具を大事にする心が芽生えたので、Tさんに感謝である。
カンナは使いこなしが難しい道具。
職人が一気に引いたカンナの後の木肌は何とも言えない艶めかしさだ。
蕎麦も断面の色艶が大切な食べ物。
包丁の当る切り面は艶があって当たり前。
問題は延し面の状態である。
乾麺のように強力な圧力を掛けて延したならつるつるになる。
だがそれでは汁の絡みも無く、口当たりも喉越しも悪い味気の無い蕎麦になる。
適度に圧を掛け、打粉を使わず、適正水分量で延された蕎麦は、
艶はあるけれどざらつきもあり、汁もついてくる旨い蕎麦になる。
毎日そんな蕎麦を打てるよう頑張っているが、満足の行く蕎麦は打てない。
全国的にその名を知れる千葉県柏市の名店『竹やぶ』店主、阿部孝雄さんは、
数年前に初めて納得の行く蕎麦を打って以来、蕎麦打ちを止めたそう。
もちろんそのレベルは、自分のようなペーペーの蕎麦屋が想像できるようなものではなく、遥かな高みを行く蕎麦である。
でも真似をしたい。
『今日最高の蕎麦を打つことが出来ました。
明日以降、こんな蕎麦は打つことが出来ないと思うので、
本日をもって閉店します。』
なんて張り紙をして店閉めたらカッコえぇ~ですのぉ~。
最盛期には住み込みのあんちゃんを何人も抱え繁盛していた。
年の近い従兄弟がいたので週末には泊り掛けで遊びに行く様な家。
ある日、作業場で遊んでいて、木の切れ端で何かを作ろうということになった。
道具置場にあったカンナや鋸を何の考えも無しに使う。
その日の夕方、仕事から帰ったあんちゃん達のリーダーTさんに呼ばれた。
従兄弟と二人、正座をさせられる。
『大工にとって道具は命より大切なもの、ガキが触っちゃなんねぇ~!!』
たんこぶが出来るほどの拳骨を食らった。
カンナの木屑を詰まったままにしておいたのが見つかってしまったのだ。
それ以来、道具を大事にする心が芽生えたので、Tさんに感謝である。
カンナは使いこなしが難しい道具。
職人が一気に引いたカンナの後の木肌は何とも言えない艶めかしさだ。
蕎麦も断面の色艶が大切な食べ物。
包丁の当る切り面は艶があって当たり前。
問題は延し面の状態である。
乾麺のように強力な圧力を掛けて延したならつるつるになる。
だがそれでは汁の絡みも無く、口当たりも喉越しも悪い味気の無い蕎麦になる。
適度に圧を掛け、打粉を使わず、適正水分量で延された蕎麦は、
艶はあるけれどざらつきもあり、汁もついてくる旨い蕎麦になる。
毎日そんな蕎麦を打てるよう頑張っているが、満足の行く蕎麦は打てない。
全国的にその名を知れる千葉県柏市の名店『竹やぶ』店主、阿部孝雄さんは、
数年前に初めて納得の行く蕎麦を打って以来、蕎麦打ちを止めたそう。
もちろんそのレベルは、自分のようなペーペーの蕎麦屋が想像できるようなものではなく、遥かな高みを行く蕎麦である。
でも真似をしたい。
『今日最高の蕎麦を打つことが出来ました。
明日以降、こんな蕎麦は打つことが出来ないと思うので、
本日をもって閉店します。』
なんて張り紙をして店閉めたらカッコえぇ~ですのぉ~。
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生きていたら…
オジチャンは、きっと応援してくれたと思います。お蕎麦も好きだったと思うし、何度も食べに来てくれたかもね。
大工の棟梁の見本のような人だったと、思います。納得いくまで妥協を許さない丁寧な仕事をしていました。木の匂い、見事なまでに薄く艶やかなカンナ屑、思いだしましたよ。
21日は、寒くてジイチャンが逝った年のようでしたね。写真を見ながら思い出していました。
大工の棟梁の見本のような人だったと、思います。納得いくまで妥協を許さない丁寧な仕事をしていました。木の匂い、見事なまでに薄く艶やかなカンナ屑、思いだしましたよ。
21日は、寒くてジイチャンが逝った年のようでしたね。写真を見ながら思い出していました。