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6月最初の日曜日は、滝上の芝桜も湧別のチューリップも見納めの頃合。
札幌、旭川方面の花観光のお客様で大忙しだった。
20分以上の待ち時間予想に諦めて帰られたお客様も多数。
せっかくいらしていただいたのに、本当に申し訳ございません。
商売の基本は一期一会。
だが、玄関口で会ったきりでは何のおもてなしもできない。
勝手な言い分だが、是非また来ていただいて蕎麦を食べて欲しい。
空席待ちのお客様が出始めると厨房は戦場の様になってくる。
特に今回の日曜日は海寄りの風が少し肌寒かったせいか、
ごぼう天、鶏天の注文が殺到し、稀に見る慌ただしさだった。
2時半を回った頃、4名様のグループが入店されたところで売り切れ仕舞いとした。
注文を取りに行ったTさんが「窓際の端っこの方が、旭川の神居小学校で大将と同期ですって!」
厨房からチラチラとお顔を拝見したが分からない。
取り敢えず蕎麦をお出しして、大半召し上がられた頃ご挨拶に伺う。
滝上から湧別に向かう途中、美味い蕎麦を検索したら当店にヒットしたという。
店主の名前を見ると憶えがあるので声をかけたそう。
「神居十字街を伊ノ沢に向かって少し行ったところの青木です!」
記憶の海に濃く立ち込める霧を払うように、思い出す限りの友の名前を絞り出す。
だが目の前の青木さんはそのままで、60年前の青木クンにはなってくれない。
10分近くいろんな話をしているうちに、特徴のある目元や口元が時空を遡りおぼろげながら像を結ぶ。
青木雄飛君。
一度聞いたら忘れられない名前と睫毛の濃いひょろっと細身の少年が浮かび上がった。
よく訪ねて来て下さいました。感謝!
聞けば同期の連中と度々会って飲むこともあるらしい。
店の名刺をごっそり渡し、みんなに配ってくれるようお願いする。
終戦後の食糧難を乗り越えて60代を終わろうとしている。
一度是非会っておこうと思う。





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ようやく咳が止まったと思ったら、痰が絡み出した。
切ろうとしてもなかなか切れない。
死んだ母親も最後の病床で痰と格闘していたのを思い出した。
「もう少し力を入れてエヘンとやってみ〜」なんて思いやりのかけらも無い言葉をかけていた。
痰が絡んで切れないというのは老いの世界の一里塚。
普段は若い気でいるが、風邪なんぞを引くと一気に己が年齢を突きつけられる。
気温が上がらない日が続いているが、市内の小中学校は遠足の時期。
店の前の道は、大山山頂や紋別公園に繋がっているので遠足の通り道。
二人の孫たちも通るので手でも振ってやろうと気をつけているのだが、
仕込みに追われているうちに、賑やかな声が聞こえたなと思って外に出ると毎回通り過ぎた後。
60年前の神居小学校の一年生の遠足。
時効だからもう良いと思うので書いてしまうのだが、
担任の先生の名前は菅井先生。
初老の小太りで優しい先生だった。
どこでどう知り合ったのか解らないが、
父親が懇意にしていたらしい。
遠足の朝、水筒を二つ持たされた。
小さい方は先生に渡しなさいと言われた。
なぜかなと思って蓋を開けると酒の匂いがする。
今の常識では考えられないことだが、当時は型破りの先生が結構居て、
そんなのもありだったのかもしれない。
ニコニコしながら受け取った髭の濃い丸顔を憶えている。
普段なかなか口にすることができなく、
遠足や運動会につきものの食べ物と言えば、茹で卵と乾燥バナナだった。
ろくに手を洗わないから剥き終わった卵は黒く汚れていたが、
少し大人になったような格別の味がした。
生のバナナはとんでもない贅沢品で、バナナといえば妙な匂いのする乾燥バナナが主流。
困ったようなあの匂いは好きになれなかった。
ところで今の運動会は寿司やオードブルの出前を取る家庭が多くなっているらしい。
経済的だからということも理由だそうだが、なんだかなぁ〜。
前の晩からお煮しめを作っていた母親の丸い背中を思い出す。
唐揚げなんぞは無かったから、おかずの主役はお煮しめだった。
こっくりと味のしみた小揚げが好きで、人参や牛蒡を除けていたら怒られた。
さて来週の日曜日は中1の孫の運動会。
毎年恒例の応援唐揚げを作らねばならない。
夜中の2時には起き出し、蕎麦を打ってから取り掛かる。
「じーたんの唐揚げ、美味しかったね!」
あまり遊んでやれなかった分、そんな記憶が残ってくれればなんも大変では無い。

久しぶりに風邪を引いてしまった。
熱は八度と七度の間を行ったり来たり。
蕎麦屋風邪引かぬと昔から言われてきた。
その理由は馬鹿ばっかりだからという説と、
蕎麦釜から上がる蒸気を絶えず吸い込んでるので、
風邪の菌を寄せつけないためとも。
自分の場合は両方とも当てはまるので無敵だと思ってきたが、
この度の風邪は強力だった。
まず鼻水が止まらない。
やれやれ止まったと思ったら咳に変化した。
営業中は気力で抑え込んでた反動が就寝時に押し寄せる。
痰が次から次と上がってきて寝る暇がない。
だが三時には起き出して蕎麦を打つ。
打つ間は咳も鼻水もピタリと止まる。
ただ何時もなら薄っすらとしかかかない汗が、
シャツの下を滝のように流れ出す。
体が悲鳴をあげている証拠なんでしょうな。
無理が聞かない年齢はとっくに通り越した。
ボチボチのんびりとやればいいしょ、とよく言われる。
だが商売というものは、軌道に乗り始めたやり方を簡単には変えることができないもの。
行けるところまで行く、登れるところまで登る。
下る心配をしだしたら山は登れない。
まっ、なんとかなるしょ、と堂々巡りの頭ん中をパッとリセット。
夏季限定の品書きについて考える。
「冷やしかしわ」は待っている方達が結構いらっしゃるので外せない。
もう一品の「梅おろし」は梅のジュレを作ったりとか手間が大変なので思案中。
「百笑たきのうえ」の無農薬無肥料のトマトがえらく美味いという。
トマトを使った蕎麦をやってみたいと思っている。
乞うご期待である。
沖合にはまだ流氷が居座っている様で、海からの風は異常に冷たい。
店横に吹き溜まった雪も、みっしりと詰まった積雪のためなかなか溶けない。
消費税増税と共にやってきた今年の春はちょっと感じが違う。
長い冬を乗り越えた浮き立つような喜びが、お客様の入りから伝わってこないのである。
4月に入ってからの3回の日曜日。
いづれもイマイチどころかイマサンの混み方。
日曜は地方のお客様が6割を占める当店。
消費税増税とガソリンの値上げは、遠方からの来店の重過ぎる足枷になる。
大企業の業績回復が、下々の中小企業の経営を改善させ、
国全体の景気上昇に繋がると政府は言う。
だが福島の現実を直視せず、原発マネーに群がる面々を引き連れ、
トップ自らが外国に原発の売り込みに行く様な、
そんな政府をだれが信じよう。
消費税増税の反動はしばらく続くと見る。
毎日の食材の仕入れは市内の老舗スーパー『Sまる』。
値段はちょいと高めだが、野菜や魚の品質には間違いは無い。
飲食店を営む同業の方達とも始終顔を合わせるうちに声を掛けるようになった。
『最近どう?忙しい?』がお決まりの挨拶文句。
『まぁまぁだよ』とか『ぼちぼちだね』とかの返答が少なくなってきた。
返ってくる言葉は『ヒマだねぇ~』の一辺倒。
工夫を凝らして生き延びる道を探らなければならない時代。
中島みゆきの『時代』の歌詞のとおり古き良き時代に答えを探す。
『辛味大根せいろ』。
無農薬、無肥料の『百笑たきのうえ』産の辛味大根をすりおろし、
削り節、葱などの薬味と一緒に汁の中に溶き入れて食べる一品。
日本各地で昔からあった蕎麦である。
4月の初めからお出ししたところこれが大人気。
1日の注文の3割を超える日がずっと続いている。
陽気が良くなるとこんなさっぱり系の蕎麦はもっとお声がかかる。
いざ勝負。
スゲェ~いい調子でやってきたのに、上司のジジイから横槍が入りずっこける様を言うらしい。
一連の騒動は週刊誌やテレビのワイドショーの格好の餌になり、どんどん核心から遠ざかる。
蕎麦屋をやる前は、公文書を作成するような仕事に30年以上携わってきた。
一字一句の文言の間違いから取り返しのつかない様な損害が生じる仕事。
イヤと言うほど叩き込まれたのは原始記録の大切さ。
パソコンに整然と記録されたデーターより、シミだらけのカレンダーに書き込まれた文字の方が、
何かの際には信用の度合いが比べ物にならないほど高いのである。
実験ノートの冊数の少なさも焦点の一つになっているが、
今時の若者と同じように、携帯のメールやパソコンでの文書作成は得意だが、
自分の文字で書き込むのはメンドくさかったのだろうか。
たとえ悪意は無かったにせよ、他の実験の写真をコピペしちゃった論文は絶対アウトだろ。
結構な学歴をお持ちのようだが、悪意のない間違い、つまり何気なく、
ついついやってしまったことが、返ってすべてのことに対する信用度をゼロにしてしまうという、
大人の社会の法則を勉強しなかったのかなと思っちゃいます。
さて昨日の休み。
久しぶりに温根湯の『手打ち蕎麦すずき』の繊細な蕎麦が食べたくなり、
天気の良い中ご機嫌に車を走らせました。
温根湯の街に入り、しばらくすると道路左側に手打ち蕎麦の旗が見える。
駐車場に入ると一台も停まっていない。
あれっ、今日はヒマなんだ、こりゃゆっくり話が出来るぞと店の前へ。
本日休業の札がぶらりと下がる。
頭の中はもうすっかり蕎麦モード。
北見の手前のドライブインみたいな『Y』に入る。
昼時を少し過ぎただけなのに誰も客が居ない。
『当店の蕎麦は蕎麦粉100パーセントです』と書かれた品書きにほだされて、
つい『もり大盛り』を注文してしまう。
やがて運ばれてきた蕎麦は揃ってはいるものの田舎の太切り。
洗いが不十分なのか、穀物の蒸れた匂いが鼻につく。
葱もワサビも全部溶き入れた汁で何とか平らげた。
モンゴルや中国産の蕎麦粉でもつなぎを使わなければ十割を謳える。
久々の大外れの蕎麦だった。
3月の後半から順調に伸びてきた客足も、
季節外れの吹雪と、消費税増税で『オボカタ』ってしまった。
はて連休はどうなる事やら。
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