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「食べログ」から封書が届いた。
開けると「食べログ話題の店」というオレンジ色のステッカーと文書が入っていて、
全国77万店の登録店舗の中から僅か0,9パーセントの難関を突破して貴店が選ばれましたと。
ついては同封のステッカーを貼付して、益々のご繁盛にお役だて頂きたく云々。
これはまたえらいこってすなと驚きながら、取り敢えず目立つところに貼らせてもらった。
話題になるのはいいが、キャパの小さい店では対応ができないのが悩みである。
そんな折り、小樽から電話が入る。
10人で昼食を摂りたいので予約をしたいという。
11時半から1時半の時分どきの御予約は、
席数が少ないためお受けできないと説明した。
「全員同じものを注文しても無理か?」と重ねて尋ねられるので、
蕎麦屋は予約をするような食べ物屋ではなく、
小腹が空いた時、「お、蕎麦でも手繰っていくか」と通りがかりに入るもので、
混み合っていたら空くまで待ち、子連れの方は膝に乗せて席を詰める。
そういう店作りを、お客様と一緒に6年間で築き上げてきたのだよと、
きちんとお話できたら良かったのだが、朝の仕込みの真っ最中だったので、
「どうもすんません」と電話を切る。
翌日のこと。
今度は「ぐるなび」という「食べログ」のライバルであるサイトから電話。
ミシュランガイドブックのデジタル版を作成することになったので、
貴店を掲載してよいかと聞いてきた。
こういう案内はお金がかかることが多いので真っ先に質問すると、
通常サイトに掲載するには月額10000円掛かるが、
今回は無料で載せることにしたと仰る。
よしよしと思いながら「いいですよ〜」と即答した。
ミシュランに選ばれたために潰れてしまった店が多くあるという。
地道にコツコツやろうと思っていたところに、
ある日を境にガイドブック片手の人達が行列をつくる。
せっかくついた常連のお客さんは混雑を敬遠し離れてしまう。
食材の仕込みから、パートさんの数まで全てが狂い出す。
地に足が付かないやり方は、肝心要の「味」を落とす結果に結びつく。
そんなことにならぬ様、「師匠」の忠告に耳を傾け、「愚直」に蕎麦を打ち続けて行こう。
定休日の月曜日。
以前一度伺った網走の「S乃家」さんへ。
管内の「食べログ」の評価では、当店と常にトップを争っている蕎麦屋さんである。
前回はカウンターの隣の若者が、温かい納豆そばを食らっており、
こっちの蕎麦の香りも汁の味わいも、なんもかも分からなくなったための再訪である。
評判の「冷しツブ刺し蕎麦」を注文。
中くらいの丼に冷たいかけ汁が張られ、蕎麦の上に薄く切られたツブ刺しが隙間なく盛られている。
驚いたのはツブの柔らかさ!特有のクセも無く美味い!
蕎麦も汁も霞んでしまう程の美味さである。
勘定の際、思わずツブの調理方法を聞いてしまう。
長めのあご髭を蓄えた御亭主が丁寧に説明して下さり恐縮する。
何となく身分を明らかにしないまま帰ってきてしまったが、
蕎麦も汁も旨かったですよ〜!



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ご近所の芸術家、池澤さん。
とんでもなく素晴らしいことを飄々とやられる。
ローマの有名な大聖堂に僕の作った十字架が架けられたんだよねと、
ミニチュアのそれを持ってきて下さったり、
私財を投げ打って今にも潰れそうだった上藻別の駅亭を復元し、
道の重要文化財に指定されるまで尽力したり、
同じ聖公会の教会に教藉を置く大先輩として尊敬すべき人である。
映画「マルサの女」の作曲で知られるサックス奏者本多俊之さんや、
女優の宮本信子さんとも親戚で、
本田さんを連れてヒョイと蕎麦を食べに来たりとなかなか油断ができない。
1週間ほど前、「いいプレゼント持ってきたよ〜」と自分で製本された一冊の小冊子を持って来られた。
混んでいた時間だったので後で開いてみると、幌加内蕎麦を特集したANAの機内誌。
「ほろかないそば」と何とも味のある筆字で書かれた自家製の表紙をつけてくださったもの。
多分用事で乗られた飛行機の中で目にしたものを、「にの字」のために持ち帰られたのだろう。
嬉しかったですね!
世界的にも認められてる才能の持ち主が、こんな小さな店のために気を遣ってくださった。
店の宝物として大事にしようと思う。
冊子の中に見覚えのあるお顔を発見した。
当店の蕎麦粉の仕入先、「そば工房さかもと」の坂本さんが幌加内蕎麦の代表として登場しているではないか。
大規模栽培による大量生産に流されずに、量的には限定されるが良いものにこだわる希少な蕎麦生産者。
全麺協の蕎麦打ち資格の最高位五段を持ち、幌加内高校の蕎麦打ち授業の講師も務められている様子が記事で伝えられていた。
池澤さんも坂本さんも自分よりは少々年上。
だが二人のパワーには見習はなくてはならないところが一杯ある。
共通しているのは偉ぶらないこと。
これは出来そうでなかなか出来ることではない。
世間の評価と共に、自分に厳しく接し続けることで身につくもの。
「こだわり」とか「プライド」とかは、他人に対して振りかざすものではなく、
己れを律するためのものだよ、そんなことを教えてくれるお二人です。






原作は直木賞受賞桜庭一樹の同名小説。
監督は帯広出身の熊切和嘉。
函館が舞台の前作「海炭市叙景」で評判を呼び気になっていた監督である。
邦画はあまり見ない。
読んだ小説の映画化もほとんど見ない。
自分の頭の中で作り上げた映像と虚しい違和感を感じさせられるから。
だが今回は熊切監督と、音楽のジムオルークの名前に惹かれ見に行きました。
映画は流氷の軋む音から始まる。
流氷原を映す粗いざらついた映像も良く、一気に引き込まれた。
「近親相姦」という重いテーマの映画。
どうしようも無い関係に、どうしようも無いどんよりとした紋別の風景が良く似合う。
そんな二人の閉塞感を表現するものとして、原作者は数か月の間流氷に閉ざされるこの地を選んだのだと思う。
淳吾と花が暮らす大山町の福祉住宅も、息の詰まるような狭さと貧しさがピッタリの選択。
バスから降りて坂道を登る淳吾を出迎える花。
ジムオルークの音楽が切なく絡む。
ガリンコ号もステアもギザもオホーツクタワーも出て来ないが、
紋別という街を何とも魅力的に映し出している。
だが、重たいテーマのせいなのか、R15という規制のせいなのか、
市民的な盛り上がりや、上映会を紋別でといった話は全く無い。
良い映画なのに残念ですな。
ところですぐそばでクマが出たようです。
店から300メーターほど離れたバイパスを跨ぐ跨線橋の草叢。
鹿もキツネも出るので、そろそろクマかなと思っていた。
生ゴミなどの処理に気をつけるとともに、なんとか山に戻って欲しい。
今朝はW杯のコロンビア戦を見ようと思い、1時半から起きて蕎麦を打った。
決定的な体力不足による負け。
まともなゲームは前半だけである。
守備を固める相手に、いくらサイドから放り込んでも跳ね返されるだけ。
裏へ走り込む体力、あるいは自分で突破する体力、いづれも欠けていた。
そんなチームが守りを捨てる選択をし、虚しい攻撃に出た結果の敗戦。
4年後は本田も香川もまだ十分に戦える年齢である。
もう少しの辛抱かな。









鬱陶しい天気が続いている。
偏西風が蛇行しているだの、南からの高気圧の張り出しが弱いだの言われているが、
地球温暖化による異常気象がじわじわ攻めよって来ているのだ。
人間が我が物顔に自然界で好き勝手をやってきた結果である。
北海道には梅雨が無い筈だが、ここ10日以上は本州の梅雨と同じ。
東京の梅雨はそんなに嫌ではなかった。
学生の一人暮らしのこと、炊事も洗濯も梅雨の影響を受けるほどマメにこなしていた訳ではない。
だからなのかもしれないが、困った記憶がほとんど見つからない。
満員電車に微かに漂う衣装替えの樟脳の匂いや、
肌と肌が嫌でも触れ合うベトベト感にはすぐ慣れた。
だが最後まで違和感が残ったのは雨戸。
雨が降ってくると東京の人たちは急いで雨戸を閉める。
室内は真っ暗。しかも蒸し蒸ししている。
ガラスが汚れないのが利点なのかもしれないが、
北海道の大地で育った身としては、どうにも我慢できる空間ではなかった。
閉所恐怖症。
生まれながら持っていた性癖に東京の梅雨が火を付けた。
家を建てる時何より優先したこと。
見晴らしがいいことと同時に、カーテンを閉めなくとも平気な家。
今のところ、海側にも山側にも開けている所には他の家は無い。
理想的な開放感の溢れる環境を確保している。
だが最近の世の中、いささか息苦しい感じが漂っているではないか。
集団的自衛権という訳の解らぬ文言の解釈で、
この国の政府は過去の過ちを再び繰り返そうとしている。
先日の北海道新聞のコラム「卓上四季」だったと思う。
「君死にたもうことなかれ」の反戦歌で知られる与謝野晶子を取り上げ、
安倍政権の強引な憲法解釈変更の手法を批判していた。
読まれていない方はぜひ一読されたら良い。
「親は刃を握らせて人を殺せと教えしや」である。

休みの月曜日、久しぶりに映画を見に行った。
「ニード・フオー・スピード」実写が売りのカーアクション映画。
運動会の代休の小4の孫が一緒。
彼は大の車好きである。
「免許をとったら乗りたい車はなーんだ?」と聞くと、
「じーたんが乗ってるコペン!」と泣かせる返答をする。
屋根を外して走ろうと約束していたが、あいにくの小雨模様。
道々、バトミントン少年団のことや、ガールフレンドのことなどを聞かせてもらう。
この日のイオンシネマは同じ様な運動会休みの子供達で混み合っていた。
アニメに並ぶ連中を尻目に、ポップコーンと飲み物を抱えガラガラの3番スクリーンへ。
字幕には小4には難しい漢字が多数出てくる。
振り返って考えてみると、自分は小学校の1年から叔母に連れられて字幕の洋画を見ていた。
読めない漢字は飛ばして全体の流れを掴む。
想像力を目一杯に働かせて、目の前に展開されて行くスクリーンに必死に追いすがる。
それはそれでなかなか楽しい作業だった。
見終わった後、「びっくりドンキー」でハンバーグを食べながら映画の内容について質問してみる。
ストリィーの込み入った部分である男同士の友情なんかも、結構理解しているのには驚いた。
先週の月曜日は、同じく運動会代休の中学1年生の孫とランチデートをした。
手足もすらっと長く、今時の女の子に成長した姿は眩しいくらい。
じーさんが誘ってもついて来てくれる最後の年代だろう。
そのうち「いやちょっと予定が入っててゴメン」なんて断られる日が来るんでしょうな。
小さい頃、酔って寝てしまいそうな自分を「じーたん、遊ぼ!」と揺り動かした声が、
つい昨日のことの様に聞こえてくる。
自分は祖父や祖母の記憶はほとんど無い。
母方の祖父である「岡田のじーさん」が可愛がってくれた話を母からよく聞かされた。
当時、旭川の土建業界で一二を争う田中組の帳場を務めていたという。
風邪を引いてぐずる自分を、仕事帰りの半纏を脱ぎ、裸の胸に抱き入れて「人肌で温める、こうするのが一番じゃ」と離さなかったそう。
目に入れても本当に痛く無いほど、メンコがってくれたようである。
自分の存在が、どのような記憶になって孫達の思い出の中に残るのか分からないが、
休みが重なるのは滅多にない。
せいぜい楽しい時間を共有して、無償の愛情をこれでもかと注いでくれた、
「岡田のじーさん」の足もとぐらいにはちょいと近づきたいと思う。




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