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2,3日前、玄関脇スロープの登り口に何本もの黒い筋状の跡を発見した。
ゴムを擦り付けたような汚れは洗っても消えない。
日曜日の営業中に『はっ!』と気が付いた。
あれは車椅子のタイヤの跡。
当店の敷地は鴻の舞の砕石を敷き詰めた未舗装。
冬期間の除雪作業でスロープ登り口に段差が出来てしまっていた。
こんな街外れの店まで大変な思いをして来られ、
辿り着いた挙句にこの段差である。
恐らく何回も試みられたのだろう。
向きの違うタイヤの跡がそれを物語っている。
バリアフリーはいまどきの店のうたい文句。
この店もそれを目指したが、
資金の制限があってスロープの設置のみにとどまった。
そのスロープがこの有様である。
どなたか分かりませんが本当に申し訳ありませんでした。
心からお詫びします。
早速砂利を入れ段差を無くす。
また、介助要請ベルの押しボタンを、
玄関戸脇からスロープ登り口の低い位置に移動。
お客様が残した汚れや痕跡は、
店に対する無言のサインかもしれない。
店主自ら掃除をする利点がこんなところにもある。

今回の休みはキーマカレーの仕込みで終わった。
6~7種類のスパイスを使う。
辛いのが好きなので、ついレッドペッパーなどの量が多くなりがちだが、
半分食べたとこで鼻の頭に汗が浮かぶ程度に抑えている。
いつも思うことなのだが、豚挽き肉の水分の量。
道内産で解凍品と表示されたものを使うのだが、
冷凍する時に水を振り掛けたんじゃねぇかというくらい、
炒めていると水分が出てきてびしょびしょになる。
この水気が臭みの元なので無くなるまで炒め倒す。
運動をさせない水太りの豚だからこうなるのかもしれませんな。


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最近あまり使われなくなった北海道の方言。
変なところに過度に神経質な人のことを言う。
小さい頃から、だらしがない家で出される食事やおやつを食べることが出来なかった。
ちゃぶ台の上の皿や箸の匂いを嗅いで、げんこつをもらったり足をつねられたりした。
帰りの道すがら、『ホントにお前は神経たかりなんだから!』と母親に説教されることがしばしば。
手に食べ物の匂いがつくのも大嫌いだった。
近所の爺さんたちが何人かで昼間から酒盛りをやっている。
子供たちが酒の肴の鮭缶をねだる。
自分の手のひらにも『ほれ』と載せてくれたとたん気持ちが悪くなり、
みんなに分からぬ様そっと捨てて手の匂いを嗅いだ。
鮭の水煮の生臭さが鼻を襲う。
家に飛んで帰り、何度も石鹸で手を洗った。
つい最近まで鮭水煮缶は食べることが出来なかったので、
幼少期の食の体験は恐るべしである。
たとえ家族であっても、大皿に持った料理を直箸で取ることに抵抗がある。
舐めた箸がどうのこうのというよりは、
納豆が付いた箸で、ほうれん草のおひたしを摘むのができないのである。
そんな『神経たかり』が食べ物商売をやっている。
さぞかし隅から隅までピッカピッカだとお思いでしょうが、
手抜きはそれなりにございます。
が、平均的な食べ物屋さんの、かなり上を行く清潔さを保っていると自負している。
2,3日前、保健所から封書が届いた。
今年度の優良食品衛生事業所に選ばれたのこと。
ついては表彰式をするので来いという。
行きませんて、そんなもの。
年に1回、保健所の巡回指導がある。
5分で終わる。
『あ~、キレイにしてますね、ハイ、結構です。』
蕎麦屋であれば、木鉢や打台、生舟の管理など見るところはいっぱいあるだろ。
そんな巡回の結果に基づく選定であるのなら、
仕事の時間を割いてまで、わざわざ行く必要は無いと判断した。
神経たかりで、相当へそ曲がりの蕎麦屋。
我が道を行く、である。
好きな言葉は『孤高』。
姉や妹の女ばかりの中で育ったせいなのか、
小さいときから一人で遊ぶ子だったそう。
友達がいない訳ではなかった。
むしろ多い方で、仲間といる時間は好きだった。
でも一人で美瑛川の川辺で遊ぶ方が何倍も心が安らいだ。
高校の修学旅行。
行かなかった。
その代わりに、夏休みに自転車で北海道を一周する。
成人してからも、組織や集団に関係の無い人生だった。
蕎麦屋を開いてからよく受ける質問。
『どこで修行されたんですか?』
『修行はしてません。』
『じゃ、どこかの蕎麦打ち同好会に入っていたんですか?』
『どこにも入っていません。』
独学の蕎麦好きが蕎麦屋になるなんてぇのは、
星の数ほどの難題を抱え込むということ。
無論それは承知の上での出発。
一人で考え、悩み、答えを探すのが嬉しくて堪らない。
『孤高』とは精神の気高さも伴う。
自分はせいぜい『孤中』か『孤低』。
実在の人物ではないが『夢枕獏』作の小説『神々の頂』の主人公、
『羽生丈二』の生き方にどうしようもない共感を覚える。
挑むのが『チョモランマ』と『蕎麦』との違いだけ。
蕎麦というとてつもなくでっかい山に、
単独登頂してみようじゃないのと思っている。
この間、孤高とは真逆の風景をテレビで見る。
自民党国会議員の靖国神社集団参拝。
吐き気を催すような異様な映像である。
自己の信念に基づき行くのであれば、一人で行きなさい。
こんな連中がこの国の未来を決める立場にいるのかと思うと、
寒気を憶える。

雪融けを一気に進める南寄りの風。
北海道民が待ち望む春を告げる知らせである。
そんな風が吹く前に、風邪を引いてしまった。
胃腸炎を伴う流行の症状。
胃がこわばり食欲全く無し。
熱は7度5分あたりから8度5分を行ったり来たり。
固形物であれ水物であれ、胃に送り込むと途端にキュルキュルと悲鳴を上げる。
こんなときには最低限の水分を摂り、食べない方が体には良い。
水曜日から土曜日まで4日間、よれよれになりながら何とか乗り切った。
体重減少4キロ。
眼の下には真っ黒な隈がなかなか消えない。
こんな無理は、とうに効かない年齢になっていることは十分承知の上。
よほどの事情が無い限り、定休日以外に休みを頂くことが度重なるようになったら、
それは商売の終いの合図であると言い聞かせている。
『蕎麦日記』を書き始めてから5年。
どんなに忙しくとも、週1回の更新を欠かさなかったが、
この度は、書く気力が湧かず1回抜けてしまった。
残念至極。
しばらく振りに『食べログ』を覗いて見ると、嬉しい『口コミ』が寄せられていた。
3月中旬に来られたお客様だと思うが、
電話での道案内を含めた接客と、せいろの汁を褒めていただいた。
正に当店が目指しているものに沿ったコメント。
手を抜かず、きちっと仕事をしていればお客様は評価してくれる。
勇気100倍。
ところで、この間から東横線の渋谷駅撤退やら下北沢の小田急線地下化で、
最終電車を見送ろうとする人達で大混乱が起きている様。
そんな報道を見るにつけ、40年前の名寄線の廃止を思い出す。
国鉄分割民営化に伴い紋別から鉄路が消えた。
車という移動手段を持たない年寄り達が、
諦めと絶望と不安の涙を流しながら、
最後の気動車の後姿に向かい振っていた日の丸の小旗。
ふたつの風景を重ねながら、『なんだかなー』とつぶやく。
書き入れ時の週末になると、お客様ではなく低気圧がやってくる。
今週も土曜の昼から雪と風が強くなり、日曜には猛烈な吹雪となった。
いつもなら午後の早い時間に閉店とするところなのだが、
夜6時半から8名様の『にの字御膳』の予約が入っていた。
依頼主は高校時代の同期のK君。
仕込みの都合もあるので、2時頃確認の電話をすると、
彼らしい飄々とした返事、『大丈夫だよ、必ず行くから! 』。
言葉どおり、雪を掻き分け10分前に6名様ご到着。
定刻には北見からの2名様も見えられ、宴会開始。
K君の奥様の3姉妹を中心にした集まりだそう。
程よくお酒も入り、厨房で仕事をしながら『もらい笑い』をしそうになるほど、
誰がじーさんやばーさんの一番のメンコだったかなど、邪気の無い昔の話で盛り上がっている。
聞けば、バレンタインの行事をやめて、この時期に親戚一同集まり食事をしているそう。
多くの動物がそうであるように、人は家族から離れ新しい家族を造る。
ひとつひとつの家族を結び合うもの。
それは、亡くなった両親や祖父母に辿り着くそれぞれの思い出。
『絆』。
2年前の3月11日以来、何度も何度も叫ばれ続けたこの言葉。
被災地の人達と心をひとつにして復興を目指すという意味に使われる『絆』と、
震災を機に家族の有様を考える際の『絆』とに分けられる。
自分達の『絆』を確かめることが、震災に遭われた人達と結びつく『絆』に繋がっていくと思う。
『美味しかったよ~、ごちそうさまぁ~!』。
出て行かれるK君ご家族一同様を見送りながら、
そんな事を考えました。



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