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穏やかな年明けである。
この土地に引っ越して以来、除雪をしなかった元旦は数える程しかない。
あいにくの曇天で初日の出は見れなかったが、
疲労困憊の老体にはまったくもって有難い。
初風呂に入り体重を測ってみる。
49,3キロ。
先月の風邪がひどい状況の時より少し戻りつつある。
年を取ってからブクブク太るより良いのかもしれないが、
仕事に必要な体力を考えるとあと3キロは欲しいところ。
5日までの正月休みに何とか少し取り戻せたらいい。
最低でも10年は続けてみようと決心して始めたこの商売。
いよいよ残り3年に突入である。
振り返って見ると、つくづく良いお客様と良い製粉屋さんに恵まれた7年間だったと思う。
新規開店の蕎麦屋のほとんどが高価な電動石臼を店頭に設置し、
自家製粉を店のこだわりの一つとしてアピールしているのが現状。
そんな方向を敢えて選択せず、製粉に費やす時間と労力を料理に向けた。
製粉は製粉のプロに任すという考え方を支えてくれたのが、
栽培から製粉まで一貫して手掛ける、幌加内の「蕎麦工房坂本」さんである。
常に最良の状態の蕎麦粉を送ってくれる。
自分はただその様な蕎麦粉を蕎麦になる手助けをするだけ。
水回しにしても、延しにしても、粉が最後に欲しがるひと垂らしの水の量とか、
麺体が延びたがっている方向に棒を当ててやるだけとか、
蕎麦粉の声に耳を傾けることの大切さが最近ようやく分かってきた。
そんな自分の蕎麦を、こんな街外れの山の中まで食べにきてくれる多くのお客様。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
全身全霊を傾けて今年も蕎麦を打ち続けて行きますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
さてさて、皆さんお待ちかねかどうか分かりませんが、
新しい品書きを二つほどご用意しております。
一つは「きつね蕎麦」。
甘辛く炊いたお揚げを蕎麦に載せた定番の温蕎麦。
北海道産大豆を使った「十勝正直村」の小揚げを、
当店の蕎麦汁を使い余りしつこくない味付けにしました。
二つ目は「かき玉蕎麦」。
水溶き片栗粉でとろみを付けた熱々の汁に、
ふんわりと溶いた玉子をかき入れます。
仕上げはたっぷりのおろし生姜。
これからの冷え込む季節にぴったりのお蕎麦です。
準備が出来次第ご提供いたします。
どうぞお楽しみに。

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二人の孫も、上が中2で下が小5になった。
ついこないだまでは、
クリスマスに欲しいものを書いたサンタさんへの手紙を預かったりしていた。
買い揃えて届けるのが、年に一度のじーさんの楽しみでもあった。
最近はメールで予定を合わせて3人で買い物に行く。
それはそれで、滅多に会えない孫たちと一緒に過ごす至福のひと時である。
今年は25日の4時にデートしようとのメール。
3時には店を閉め超特急で後片付けを済ませ迎えに行く。
小5のヒカルくんはただいまエアガンに夢中。
先月の誕生日プレゼントもコルトマグナムだった。
今回も目星をつけているようで、市内のおもちゃ屋へ直行。
軍仕様の電動ガンをゲットしてご満悦である。
何のかんのと非難する向きもあろうかと思うが、
男の子はいずれ通る道。
自分も西部劇に憧れて早撃ちの練習なんぞしていました。
一方の中2のルナさんはあまり物欲が無い。
ゲオへ連れて行ってと言うので、ゲームソフトでも買うのかなと思っていたら、
ペンケースやら消しゴムやらこまごましたものを選んでこれでいいと。
お買い上げ総額1400円なり。
これではヒカルくんとのバランスも取れないので、
予定していた金額の残りをお小遣いとして渡す。
彼女は今バトミントンに夢中である。
オホーツク管内の大会では常にトップスリーに入っているようで、
このまま成長してくれればいろいろと楽しみである。
AKB48なんぞには目もくれず、趣味はマシーンを使った腹筋強化。
好きな歌手は誰と聞くと、あまりいないけど「柴咲コウ」は好きと答える。
その感性なかなか良し。
さてさて買い物を終え、三人で記念のプリクラでも撮って、
軽くオヤツでも食おうとたくらんでいたが、
「じーたん、ゴメン!二人ともこれから塾なんだ!」
「プレゼントありがとね!バイバイ!」と帰って行った。
一人取り残されたじーさんはトボトボ店に戻る。
またの機会のお楽しみに取っておきましょう。
現在大晦日の午前7時である。
昨日お渡しした分を含めて、230人前の年越し蕎麦を打ち終えた。
いやー今年は風邪で体調が最悪だったので大変だった。
あとはエビ天などの天ぷらを揚げて本年の業務終了。
お陰様にて何とか年を越すことができそうです。
新年も変わらぬお引き立てをお願い申し上げ、
2015年最後の蕎麦日記といたします。
いや〜参りましたな!
ここ数年罹ったことのないような超ド級の風邪を引いてしまった。
最初は咳と痰が絡むことで始まった。
夜には熱も少し出るが37度少々。
仕事が始まると咳も収まるので店を休むほどではないと判断。
売薬を飲んで治そうとしたがそうは問屋が降ろさなかった。
夜になると出てくる熱は39度台に突入。
びしょ濡れの下着を二度も三度も取り替える。
それでも朝になり、仕事モードのスイッチを入れるときちんと体は動く。
そんな状態がダラダラと10日ほど続き、
休み明けの昨日23日から少しづつ体調が戻りつつある。
ピークだったのが月曜日の21日。
朝からがっちりと布団をかぶり風邪退散と行きたいところだったが、
ご常連のIさんから早めの年越し蕎麦80人前の注文が入っていた。
よろよろと打ち場に降り、2,2キロ玉を四つ。
何度もびしょ濡れのシャツを取り替えながら、
午前中に何とか打ち上げる。
注文時には滝上まで配達しますよと、
気楽に引き受けたのだが、今の調子では少し辛い。
運転を奥さんに頼んで助手席で半寝。
10日ほど前にオープンした「レストランありす」。
2時少し前の駐車場には先客の車が一台。
中へ入ってみると以前の大衆食堂とはガラリと異なる空間が広がっていた。
イスやテーブル、そして内装に使われている木の香りが心地良い。
店内は完全禁煙。
今のご時世、都会では当たり前のことであるが、
ここ北海道の地方の街では、まだまだ喫煙者が大手を振っているのが現状。
随分と抵抗があっただろうが、その決断に応援のエールを送りたい。
自分は「キーマカレー」、
奥さんは「彩りごはん」というそぼろなどの三色の具材が乗ったものを注文。
カレーはスパイスの使い方が面白く旨かった。
彩りごはんも薄味ながら味付けは良く、美味しかったとのこと。
出来るだけ地場の食材を無添加、無化調にこだわって提供するというコンセプトは、
当店と一緒である。
お互いに協力し合えるところは協力してやっていけたら良いと思う。
永遠のクリスマスソング「雨は夜更け前に雪へと変わるだろう」と山下達郎は歌うが、
日中の雨は夜通し降り続け、11月に降った湿った大雪もすっかり溶けてしまった。
こんな風景ではさっぱり師走の気配が感じられない。
例年より早く12月の頭から、年越し蕎麦ご予約受付のポスターを店内に貼ったが、
出足はボチボチである。
国会では来年からの消費税アップに伴う軽減税率の適用についての論議が盛んだそう。
どうやら食料品全般については従来通りの8パーセントに落ち着いたようだ。
問題は外食産業。
軽減税率を適用する案もあるようだが、「高級外食」も含めるのはどうのこうの言っているらしい。
一体どの位の金額で線引きして「高級外食」と言っているのかわからないが嫌な言葉ですな。
如何にも庶民の味方の様なそぶりで振舞う公明党も鼻に付くが、
そもそも「高級外食」ばかり食べている議員先生には、
「低級外食」すらたまにしか食べられない下々の感覚が分かるはずがない。
「マイナンバー」も交付されたことだし、
国民全員に「マイナンバーカード」を作らせ、
所得に応じて「プラチナ」とか「ゴールド」とか区分けをし、
住民税が課税されないような貧民は色無しの「白」。
買い物などの度にそれを見せると、「プラチナ」ですので20パーセントの消費税をいただきます、
「白」の貧民さんですので無税です、とかやった方がよっぽど公平だし、
いわゆる「痛税感」も解消されるというもんだ。
景気が回復基調だそうだが、
ここ北海道の端っこではそんな実感は少しもない。
そんな世知辛い状況の中、ラーメンの「Y岡屋」がバイパス沿いにオープンするという。
限られたランチ人口を争奪する戦いが始まりますな。
ウチはウチの独自路線で行くだけ、なんてたかをくくっていたら取り残される。
一層の特色を打ち出し差別化を図って行こうと思う。
川沿いの大衆食堂が夏のはじめに閉店してから、
ランチ難民が発生していた滝上町にも、
一挙に二件の食事施設が12月にオープンした。
そのうちの一件は、当店のご常連のIさんが経営する「レストランありす」。
出来るだけ地元の食材にこだわり、
化学調味料、食品添加物などを使わないメニュー構成となっている。
請われて「にの字」の蕎麦もメニューに加わることになった。
多分「せいろ」と「かけ」のような単純な品書だけだと思うが、
毎朝打つ量が増えるので心してかからなければならない。
最近蕎麦粉の割合を変えてみた。
40メッシュの粗挽きの粉を、今までの1割から1割5分にした。
茹で上がった蕎麦はモチモチ感が際立つ。
ただ、「括り」から「捏ね」の段階で、
麺体がどんどん締まってくるので「水回し」には注意を要する。
何人かのご常連のお客さんに聞いてみた。
「蕎麦、少し変えてみたんだけど分かった?」
「えっ、全然!」
5分の増減ではそんなもんかも。
「大将!蕎麦粉変えましたな!」
そんなお客さんがもし出てきたら、
嬉しくて半額にしちゃうかもしれません。
4.5日前の夜、ボーッとテレビを見ていると、
Amazonの配送システムの謎に迫るみたいな番組をやっている。
東京都内とか一部の地域に限られるが、
何と注文を受けてから1時間以内に配達するという。
メチャクチャ広い巨大倉庫にずらりと並ぶ商品の棚。
作業通路を行き交う従業員は皆私服。
それだけでも自分を含めた経営者と呼ばれる人たちのほとんどは違和感を覚える筈。
さらに面白いのは、歩行の速度が1時間4.5キロに決められていること。
ゆったり歩きと早歩きの中間である。
トラブルが発生しても駆け出したりしては駄目なのである。
番組内では通路での衝突などを防ぐためと言っていたが、
それだけではないだろう。
当店の厨房にも似たような不文律がある。
それは忙しくなればなるほどゆっくり動けということ。
狭い厨房の中でぶつかる危険を避けるためでもあるが、
ゆっくり動くことで人は冷静になれる。
つまり仕事の優先順位などを、動きながら頭の中でキッチリと決められる速度があるのである。
「にの字」もAmazonの幹部と同じ考え方をしているかもしれませんな。
さてさて、いよいよ12月です。
5日には69年目の誕生日を迎えてしまった。
孫達からのプレゼントの「一刻者」を飲みながら考える。
来年からの70代の自分は想像の範囲外である。
そんな領域の自分を楽しみながら歳を重ねていければと思う。
本日月曜の定休日。
午前中に辛汁の仕込みを終えて、
遠軽の「Y岡屋」の味噌ラーメンを食べに行く。
以前、北見の系列店で余りの動物臭で敬遠していた。
ところがいつも行く美容室のM君があそこは味噌に限るという。
食べて見てなるほどである。
味噌の風味が豚骨の臭さを適度に消している。
お勧めです。
札幌に治療のために移られた網走のA司祭が亡くなられた。
搬送の途中でわざわざ電話を下さった刹那げな声が耳に残る。
奥様の手紙に添えられた、網走の先住民族であるウイルタの刺繍が施されたテイッシユ入れ。
先生が一針一針縫ったもの。
癌の末期を知り病床で作られた。
少し不揃いの糸の隙間に、先生の無邪気な笑顔が見える。
やがて自分がそちらに行く時にはそのままの笑顔で迎えてくださるように。
どうぞ安らかにと心から祈る。

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