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三連休の中日、7月19日の日曜日のこと。
札幌から14名で伺いたいとの予約の電話が入っていた。
日曜の昼時、増してや連休である。
相当の混雑が見込まれるので最初はお断りしようかなと思った。
14名様ということは貸切にし、予備の椅子を引っ張り出してようやく座っていただける。
11時の口開けなら何とかなるかもしれないが、
それ以外の時間帯であれば全員が同時に入店することは不可能と説明すると、
バスで行くので中で待機し、空いた順に食べることが出来れば構わないとおっしゃる。
そこまで言ってくれるのならお断りするわけにはいかぬ。
朝2時半に起きて2キロ玉を3つ打つ。
大盛りの注文が混ざったとしても50人前の蕎麦である。
天気は快晴、ジリジリと暑い。
暖簾を出す前から3台ほどの開き待ちのお客様。
蓋を開けてみると特盛の注文が相次ぐ。
特盛は一人前の倍の量300gである。
どんどん蕎麦が無くなり、札幌の14名様は到着しない。
正午少し前に特盛お断りの指示を出す。
もともと蕎麦という食べ物は小腹を満たすもの。
一日三食の内の一食ではなく、江戸時代の昔から趣味食の位置で発展してきた。
笊に薄く盛られた蕎麦を三口ぐらいでささっと片付け、
ごっそうさんと出て行くのが粋と言われてきた世界である。
だが、ここ北海道でそんな感覚で商売をすると三日で潰れる。
しっかりとお腹を満たす食べ物でなければ受け入れてはくれない。
12時を回った頃混雑はピークになる。
空き待ちのお客様が10名を超えたところで大盛も止めざるを得なくなる。
そうなると天麩羅の注文が一気に増え出す。
蕎麦だけでは物足りないという方が、如何に多いかという証拠である。
蕎麦釜やフライヤーの周りの温度は40度を超える。
元々汗かきの体質ではないが、汗も出ないほど体力を消耗する。
やがて御予約の14名様ご到着。
20名以上のお客様が車の中でお待ちの状況での海老天、ごぼう天の連続。
満席のまま天麩羅を揚げ続ける。
やがて3人、4人と席が空き札幌の14名様で貸切状態になる。
時計の針は1時半を少し回った。
日曜日にしては異例の早さだが、売り切れ仕舞いの札を出す。
その後も続々と札は見るものの「もう駄目ですか?」と確認をする方達が顔を出す。
遠くから楽しみにいらっしゃったのに本当に申し訳ない。
店主があと10歳ほど若ければ「40分ほどお待ちいただければ蕎麦を打ちます」と、
手早く新たな蕎麦を作ってお出しできるのだが、生憎そんな体力はもう無い。
最後のお客様を送り出すと一気に疲れが押し寄せる。
総数42名様のご来店。
入れずに帰られた方を含めると60名以上の数になるだろう。
今や手打蕎麦屋の主流である「自家製粉」をやっていないこんな店にである。
「自家製粉」は蕎麦屋の理想である。
だがそれを追い求めると果てしも無い道に突き進むことになる。
自分はとっととそれを諦めた。
風味の落ちない間隔で注文することで製粉はプロに任せることが出来る。
余裕ができた時間で考えたことは蕎麦と遊ぶこと。
そんな店の方向感覚が多くの方に受け入れられている要因かもしれない。
来月はお盆。
1年で一番の混雑の時期を迎える。
2キロ玉を4つ打たなければ間に合わないか。







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日曜日の朝のこと。
慌ただしく風呂に入っている時、何気なく浴室の鏡を見てびっくり。
左目が殴られたように瞼の上下にクマができている。
目袋のクマは今までも疲れた時に現れていた。
だが上瞼のクマは初めてかもしれない。
みっともないけれど、どうしようもない。
一週間の疲れがピークに達したサインだろう。
やっと天気が回復したせいか今週はことのほか忙しかった。
連日の売り切れ仕舞い。
体は疲れているが、ここの蕎麦は美味いというお客さんの声に
出来るだけ多く応えたいと頑張っている。
そんな中の金曜日のこと。
マレーシアから5人のお客様がご来店。
事前に同行の通訳の方から連絡をいただく。
昼時の予約は1時30分以降ならOKと言うと、
時間ぴったりに中型のバスが到着。
この日は気温も上がったためか開店と同時に大忙し。
蕎麦の残りは5人前のみ。
注文の取りまとめに通訳の方が手間取っているようで、
店主が呼ばれ説明する。
5人ともイスラム教徒のため動物性の食材は使ってないかの確認やら、
蕎麦粉の割合は何割かだとかいろいろ質問してくれる。
まとまった注文が、
海老天蕎麦が二人。海老天とかき揚げ天の天ぷらのみのセットが三人、
うち一人がライスを付けてというもの。
何人かのお客様を売り切れ仕舞いでお断りし、
ようやくの思いで確保してあった残り5人前の蕎麦である。
まっ、しょうがないかと気を取り直して注文の品をお出しする。
天ぷら単品の場合は抹茶塩を添える。
だが、ケチャップをないかと言う。
普通蕎麦屋にはそんなもんは無いが、店主個人用のがあったので持っていく。
そのうちライスにワサビをつけたいから出してくれと。
宗教上の制約は仕方がないが、
旅行というものは海外であろうと国内であろうと、
その土地の食文化を楽しむというのは旅の醍醐味の一つ。
好きに召し上がってくれればいいのだが、
なんだかな〜と力の抜けた金曜日であった。
さてさて、裏庭の雑草があっという間に伸びたので、
定休日の月曜は朝から草刈り。
まず始めにイタドリなどの太いものを刈るのにジップソーを使う。
次にナイロンコードに付け替えて細めの草を刈るのだが、
去年も何回もやっていた部品の交換が分からなくなってしまった。
小一時間散々迷った末、一枚のワッシャーを入れることに気が付く。
これは多分認知症の扉を叩いたということなのだろう。
体力の衰えは仕方が無い。
せめて頭だけは正常でいたいと思っていたが、
同時進行しているようですな。







4月後半からゴールデンウイークにかけてのポカポカ陽気はどこへ行ったのやら、
ここのところは海からの風が異常に冷たく肌寒い日が続いている。
それでも例年より早く見頃を迎えた滝上の芝桜と、
湧別のチューリップを観て回る花観光は5月17日の日曜日がピーク。
開店と同時に旭川ナンバー、札幌ナンバーの車が駐車場を埋め尽くす。
出来るだけ多くのお客様に食べていただくために、
1時頃には特盛り、2時には大盛り不能の指示をパートさんに出す。
腹一杯蕎麦を食べたいというお客様には申し訳ないが、
空き待ちの方が常に5,6人を超えると蕎麦の残量計算がシビアになる。
当店の大盛りは5割増しの茹で前250グラム。
特盛りは並盛の倍の300gである。
手打ちの蕎麦屋にしては多い方だと思う。
大盛りは150円、特盛は200円増し。
儲けを考えると特盛や大盛りを20枚出すより、
並盛を30枚出した方が売り上げは増える。
だが、日曜日の特盛大盛りの制限はそんな理由からではない。
蕎麦を入れる容器、生船には並盛二人前づつ揃えて入れてある。
蕎麦が無くなったら売り切れ仕舞いの当店は、
残りの船が一つを切る頃からあと何人分か正確に把握しなければ、
空き待ちのお客様に待機してもらうことは出来ない。
残量を掴むための制限だということを分かっていただきたい。
さてさて、仕事に余裕がある時にはお客さんが食べる様子を見るのが好きだ。
カップルのお客様が蕎麦を一口啜ってお相手を見ながら、
「ウマイ」とか「オイシイ」とかのカタチに口が開いたらしてやったり。
お一人の方は反応が薄いが、満足気に何度も頷きながら召し上がるのは美味しさの証拠。
小さい子が一生懸命に箸を使ってるのを眺めるのは何とも言えない。
お帰りの時にはおみやげの飴二つを手渡し、
「たくさん食べて偉かったね!」と頭を撫でてすっかりじいちゃんになる。
そうかと思えば先日こんな人がいた。
20台前半の今時の男の子。
同年代の女性と二人連れで豚南蛮の大盛りを注文。
何気に食べるのを見てみると、
汁を飲むための小さいお玉に蕎麦を乗せて口に運んでいる。
「男のくせになんちゅう食い方をするんじゃ!」と怒ったが、
「猫舌で熱いのは苦手なんだ」と気を取り直し仕事に戻って数十分後、
またまた見てみると相変わらずのお玉乗せで食べている。
もうこうなると気になってしまい、食べ終わるまで密着観察。
蕎麦は勿論、汁もお玉で終了。
お見事!オネエ系男子の蕎麦の食い方新発見。
和食全般に言えることだが、
お出ししてこのくらいの時間内に召し上がって欲しいという制約がある。
天麩羅や寿司と並んで蕎麦も時間を急ぐ代表格。
どんな食べ方をされてもお客様の自由だが、
「粋」に食べることは、実は美味しく食べることの基本なのである。
冷たい蕎麦も温かい蕎麦も啜ってみて味が分かる。













ここんところ鴨関係 の注文がなぜか減ってしまい鴨肉が余っていた。
日曜日に使い切らないと、休み明けの水曜まで持ちそうにない。
冷凍してしまうのも一つの方法だが、肉の質が落ちる。
こんな時には飛び切りのやり方がある。
5ミリ幅ぐらいに刻み、牛蒡の笹がきと少し煮込んで刻み鴨せいろに仕立てる。
鴨の旨味が汁に溶け出し鴨好きには堪えられない一品に。
手書きの張り紙には限定5食!特価980円!と。
7年の蕎麦屋の歳月はこんな知恵も授けてくれるのです。
さてさてお客さんの反応は如何に?
飛びつきましたねえ。
1時前には売り切れてしまいました。
鴨の仕込みをする時にどうしても端っこの肉が出てしまうので、
賄いで時々食べることがあるのだが、
刻み鴨せいろは普通の鴨せいろより倍以上濃厚で旨いのである。
日曜日のみの限定品書きで出してみようかなと思う。
一人前の刻み鴨せいろに使う鴨肉は、
鴨南蛮や鴨せいろの三分の二。
採算は十分に取れる。
一人前づつ具材と汁をジップロックに入れておく。
注文が入るごと鍋に入れて温めるだけ。
4回転も回さなければならない混雑の日曜日には、
店主もパートさんもホッと気を抜けるこんな品書きも必要なのである。
さて、せいろに使っている笊の傷みが目立つようになってきた。
並盛りは虎竹、大盛りは白竹の笊の変わり編みを使って来たが、
入れ替えるとなると一枚3000円以上する品物なので結構な出費になる。
浅めの皿に簀の子を敷いて蕎麦を盛るのも良いかなと、
北見のニトリに行って見てきた。
簀の子はあったのだがなんとプラスチック製。
手入れは簡単かもしれないが店では使えない。
皿は色々あったのだが結局買わずに帰ってきた。
「だて様」の勤務する養護施設に作ってもらおうかなと思う。
伊達市の「太陽の園」。
現在使っている箸置きや蕎麦湯をいれる湯桶はこの施設の皆さんが作ったものだ。
特に湯桶は好評で素朴で良い味わいの器ですなと褒めてくれるお客さんも多い.。
そんな全国各地の施設が予算や補助金を削られ経営困難に陥っている。
米国の押し売りに負けて、あのオスプレイを十数機購入する政府。
なぜ今のこの国にあのようなものが必要なのか。
一機分の金額でどのぐらいの頑張っている施設が救われるのだろう。
大戦後70年を経ようとする今、日本が誇らなければならない憲法9条の不戦の誓いが揺るぎ始めている。
誤った方向に進まぬよう大きく目を見開いていなければならない。






連休の中日、3日の日曜日は相当混み合うことを予想して6キロの蕎麦を打つ。
大盛り、特盛の注文が混ざるとしても約50人前の量。
気合を入れて11時10分前に暖簾を出す。
開店待ちのお客様はいない。
少し拍子抜けしながらネギなど刻んでいるうちに続々とご来店。
汗ばむような天気なのに温蕎麦の注文ばかり。
しかも舞茸天が爆発。
丼の全面を覆うように四個の舞茸天がドーンと乗っかるこの蕎麦。
なぜか人気があるのだが作るのは結構厄介なのだ。
まず舞茸は揚げどきが肝要。
揚げ過ぎては舞茸の香味が飛んでしまう。
付きっ切りでひっくり返しおっ繰り返しなのである。
加えて油跳ねが半端でない。
手や顔に油が跳ねるのはもうすっかり慣れてしまったが、
ほぼオープンキッチンのこの店、調理台や壁に飛んだものは拭き取らねばならない。
そんなこんなで4名様連れのお客様の注文が、
「舞茸天四つです!」なんてパートさんの声を聞くと腰が砕けるのである。
そのうち、今の時期だけ限定の山わさび付きのせいろも順調に出だし、
2時頃には2,3人前を残し46名様の入店を数えていた。
みんな結構疲れていたのでそろそろ閉めようかなと思っていると、
4名の御家族連れが入ってきた。
パートさんの「残りの蕎麦が三人前なんです」の言葉に何とも残念そうに諦めきれない様子。
除けてあった端っこを集めると何とかなるかもしれないと、
「不揃いになりますがそれでもよければ?」とお断りしお通しする。
伺うと札幌からいらしたとのこと。
蕎麦が大好きだという小学3年生の男の子とご両親におばあちゃん、
全員声を揃えて「美味しかった!」のお帰りの一言に今日一日の疲れが癒される。
総計四回転超えの50名様。
閉店後の掃除を終えてゆっくり休みたいところだが、
鶏つくねの仕込みをしなければならない。
ばんばんに張った腕や腰や背中にもうちょっと頑張れやと、
声をかけながら2キロの鶏胸挽肉を団子に茹であげたら体力限界。
夕食もそこそこに8時には横になる。
定休日の明日は朝からカレー用の牛スジ肉の仕込みが待っている。
冬の疲れが抜けきれない老体にはちょいとキツイゴールデンウィークである。
土曜日の夜明け前の頃、店前でカラスの鳴き声が異常にうるさい。
仕事の手を休め外に出てみると、
地面すれすれで10羽以上のカラスが1羽の小さなトンビを攻撃している。
「この卑怯者めが!」と怒鳴りながら石をぶつけてやった。
弱ったトンビともども近くの林の中へ飛んで行ったが、
多分助からないだろう。
カラスにしては当たり前の集団の行動。
あまり群れることをせずに生きてきた自分の姿と、
トンビが重なって見えたのかなと思わず苦笑いをしてしまった。
















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