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アマチュア写真家として知る人ぞ知るT爺ちゃんは4,5年来のご常連。
長身で小洒落た服を着こなす様はなかなかのもの。
注文するものはただ一つ、「おろし蕎麦」。
「美味いな〜この蕎麦は!」お帰りの際必ずそう言われる。
唯一の欠点は開店時刻の15分前に見えられること。
開店前の数十分間の厨房はさながし戦場の様。
掃除などは済んでいるので座って待っていただけば良いだけなのだが、
微妙な仕事のリズムが狂うのである。
でも何回もそんな場面を繰り返すうちに、
T爺ちゃんだけは許されていった。
昨年、いつも一緒に来ていた次男さんを突然亡くされ暫く元気が無かったが、
最近は以前の様子に戻られ一安心して居た。
だが9月の中旬に見えられた切り来店されない。
「T爺ちゃん風邪でも引いたんだろうかね?」
厨房の中でそんな会話が何回か繰り返された先週の金曜日、
長男の息子さん夫婦が来られて「おろし蕎麦」を注文された。
何となく胸がざわつく。
蕎麦を運んでいくと立ち上がられ、
「心臓発作で父は9月に亡くなりました」
「いろいろお世話になり本当にありがとうございました」と言う。
涙が溢れ出しお悔やみの言葉も出ない。
わざわざ湧別から来られご挨拶を頂いた。
この歳になると新聞のお悔やみ欄はくまなく目を通すのが習慣になっていたが、
見落としていたんですな。
ご冥福を祈ります。
ここんところご常連さんが相次ぎ亡くなられている。
心の中を茫々の風が吹く。
蕎麦は健康食品、どうか皆さん長生きして下され。
同じく先週のこと。
九州の宮崎から8名様の団体が来店された。
窓から見えるオホーツク海に歓声をあげたり、
お年を召している割には過ぎるくらいに元気である。
お会計の際、領収書と言われるのでお名前を伺うと、
「牧水北海道周遊の旅」と仰る。
牧水は「若山牧水」の「牧水」ですよねと言うと、
「え〜そうですけど!」びっくりした様子。
大正時代の歌人若山牧水は北海道を旅した時に各地で句を残された。
後で調べると牧水は宮崎の出身。
北海道で詠まれた歌を巡る何とも優雅な羨ましい旅である。
老後は各ありたいと思う。
みんな一様に懸命に人生を送ってきた結果が、
豊かな老後と食べていくだけの老後に振り分けられる。
こんな格差はちょいとおかしいと思うのは自分だけか。
「じゃらん北海道」に掲載された「鮭三昧割子蕎麦」は、
仕込みのイクラが底をついたので先週で終了しました。
原価が高過ぎるので来年以降のご提供は不明です。
ただ、「鮭白子」は安価で手に入るので蕎麦との組合せを考えています。









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店裏の雑草も季節に合わせ成長を止めた。
5月の末あたりからの定休日の定番仕事、草刈り作業もやっと終了。
次に控えるのは雪との闘い。
6年間の酷使に耐えたホンダの除雪機は、
雪を巻き上げるドラムのところに穴が空いてしまい、
車の修理を頼んでいるSボデーさんに溶接で塞いでもらった。
この頃は車を始めとして壊れたところはぞっくり部品交換が主流。
二代目の若社長は「なんとかしましょう!」と、
職人の技で工夫を凝らしてくれる有難い存在である。
準備万端抜かりなく整ったところ、
本日早速白いものが舞った。
店前と店裏合せて200坪の除雪は大仕事。
4、5台駐められるだけやればいいものを、
妙なところに几帳面な性格は、隅から隅まで圧雪車でならした様に仕上げなければ気が済まない。
でも昨年あたりからそんな気持ちとは裏腹に体力がついて行かなくなった。
老いるということは、いろんなことに妥協していくこと。
雪はその様な当たり前の事実を目の前に突きつけてくれる。
今年は大雪や猛吹雪の日は店休みます。
でも、大荒れの天気になると必ずやって来るお客さんがいるんですな。
チャレンジ精神というのか、ロクに除雪車も入っていないような道をかき分けて来る。
考えてみると若い時の自分もそうだった。
タイヤにチェーンを巻きつけて腹をこすりそうな雪の中を、
行きつけの喫茶店へと走っていた。
自然の猛威に抗うことに快感を感じるそんな感覚。
気合一つで体力なんか無限大に湧いてくるものと思っていたが、
67歳にしてそれは間違いだということに気づく。
定休日以外の臨時休業がいささか増えるかもしれないがどうぞご理解いただきたい。
今冬の長期予報は暖冬だと言ってみたり、いや厳しい寒さになると言ったり、
どっちなのかはっきりしない。
予想もつかないような大きな異変がこの星に起きているのだろう。
鵡川では大量の鰯が打ち上げられたそう。
大地震の不吉な前触れでなければ良いなと思う。
開店以来のお客様、W御夫婦の奥さんが亡くなられた。
42歳の若さである。
このブログも見ていて下さったようで、時々励ましの言葉など頂いていた。
パートさんが帰ったあと、いつも座られていた二番の席に水を置く。
ご冥福を祈る。








土曜日はお客さんの出足が遅い。
だが、先週は違っていた。
開店と同時にほぼすべての席が埋まる。
注文を聞くと半分以上が舞茸天と鶏天、海老天と天ぷらのオンパレード。
全部の天ぷらを揚げてしまって蕎麦を茹でるのが一番手っ取り早い。
でもそうするには天ぷらの数が多過ぎてお客さんを待たしてしまう。
席を三つのグループに分けてお出しすることにした。
当店のフライヤーは小さい。
この頃一番人気の舞茸天は四個の舞茸が乗るので、
カリッと揚げるには一人前ずつのやり方になる。
大汗を書きながら三番目のグループに取り掛かった時、
海老天蕎麦を注文した初老の男性がカウンター越しに、
「まだかな?時間無いんだけど!」と言う。
壁の時計を見ると11時20分。
15分少々しかお待たせしていないはず。
「立食い蕎麦屋じゃねえんだぜ!」と心の中で悪態をつきながら、
「いま茹でてます!」ムッとしながら少し尖った返事が返る。
後でよく考えてみると、紋別空港の東京直行便を利用の方だったかもしれない。
成る程急かせた合点がいくとちょっと反省。
市内のホテルが紹介して下さっているのか、
東京へ帰る前に当店で蕎麦をというお客さんが増えている。
有難いことなのだが飛行機は待ってくれない。
可能であるのなら開店と同時にお越しいただきたい。
もしくはその旨事前に電話をくだされば、
開店前でもお通しいたします。
それにしても舞茸天の出方が凄い。
昨日の日曜日も41名様のご来店で大忙しだったのだが、
三割の方が舞茸天の注文。
実は舞茸の天ぷらは結構厄介なのです。
水分が多いので油跳ねが半端でない。
そして水気をたくさん含んでいるということは揚がり際の判断が難しい。
揚げ過ぎると独特の良い香りが飛んでしまう。
常に揚げ箸で表面を触りながら揚げ時を探す繊細な仕事。
「にの字」の天ぷらは美味い。
と言われているようですが、店主の腕が良いわけではない。
常に心掛けているのは新鮮な油を使うこと。
他店の半分の時間で油は交換される。
後は天ぷらの師匠である銀座の名店、
池波正太郎が愛された「てんぷら近藤」の近藤さんのおかげ。
勿論直接教えていただいた訳ではない。
「てんぷら近藤のすべて」という本を通じて勝手に弟子になった。
この本は、ここまで書いていいのかという程、
天ぷら仕事の手の内を明かした本である。
何回も何回も読み返す。
文字で表現出来ない行間の思いを吸い取るように読む。
舞茸天は教えの通り少し濃いめの衣を付ける。
傘のところの余分な衣を切ってから油に放つ。
表30秒、裏を返して30秒、1分程で揚げ時である。
四個の舞茸天は丼を覆い尽くし蕎麦が見えなくなる。
入れ過ぎかなとも思うが、油が軽いせいか女性のお客さんも残さず食べてくださる。
「ウチは蕎麦屋で、天ぷら屋じゃね〜!」と呟きながら、
舞茸の天ぷらを揚げる毎日が続きそうである。
.





しばらく「にの字御膳」のご予約が入らなかったが、
先週の週末に二組七名様のご利用があった。
土日は日中混み合うので夜はやりたくないのが本音。
だがそんなことは口が曲がっても言えないので、
疲れた体をなだめすかしながら、それぞれ3時頃から準備に精を出す。
鴨のしゃぶしゃぶはそんなに大変ではない。
鴨も野菜も切って皿に盛り込めば終わりである。
時間がかかるのがお通しの九点盛り。
大きな白い角皿に九品の料理を少しずつ色良く並べる。
今回は、自家製鶏ハム、牛蒡の八幡巻、オクラの白和え、
人参ナムル、カボチャのサラダ、ササミとチーズの揚げ春巻、
茗荷の甘酢漬け、鰤のづけ、帆立の昆布締め、
以上のラインナップ。
パートさんたちは言う、
「大将!少し手をかけ過ぎ!九品は多過ぎ!」
そんなことは言われなくても、やってる本人が一番よう分かっている。
メガ盛りで有名になった食べ物屋のオヤッサンがよく言うセリフ、
「やってるうちに止まらなくなった」と同じである。
最初は三点盛りだった。
それが五点になり、六点になって何時の間にか今の九点に。
初めて利用されるお客さんは必ず言ってくれる。
「わー!きれい!!」「すんごいな!」
その台詞が聞くことができればこちらのもの。
つかみはオッケーというやつですな。
土曜日は三十代半ばのご夫婦。
ベビーカーに一歳位の女の子。
最初は大人しくしていたが、やがてぐずり出すと、
交代であやしながら召し上がっている。
今時の若者さんかなと思っていたら違っていた。
食べ終えたお皿が始末のしやすいように、
テーブルの端に並べられている。
使った紙お絞りはきちんと畳まれていて、
分別がしやすいように包みのビニール袋と分けられている。
こういうお客さんは送り出した時の疲れが感じられない。
きちんと片付けられたご自宅の様子さえ目に浮かぶ。
またのご来店お待ちしています。



今週から新蕎麦に切り替わる。
蕎麦を打つ者だけが愉しめるもの、それは新蕎麦の色と香り。
茹で上がった蕎麦を冷水に晒すと、ほんのり鮮やかなうぐいす色に染まっている。
香りは、蕎麦粉に水を加える水回しの際に一層立ち昇る。
草息れの匂いというか、蕎麦畑の真ん中で寝転がっているような香りである。
色はお客様も見ることができるが、新蕎麦の香りは茹でると有るか無しかのものになってしまう。
蕎麦本来の香りは、ナッツの様な穀物独特の香り。
それも鼻で嗅いで分かるようなものではなく、
蕎麦を啜った時に喉の奥で感じることができる繊細なもの。
新蕎麦の若草の匂いは手打蕎麦屋の年一回の特権である。
旨味とか甘味は収穫から2,3ケ月経った方がより感じられる。
その辺はワインのボージョレヌーボと同じですな。
過度に珍重することなく、楽しんでいただければ幸いである。
先週の週末は紋別のグルメ祭りだった。
地方からの観光の皆さんは、今まではそっちの方に引っ張られるためにそんなに混むことは無かった。
今年は土曜日が天気が悪かったせいもあったのかもしれないが、
多くのお客様で大変な混雑だった。
そんな中、香港からだという3名様がご来店。
日本語が通じずパートさんからお呼びがかかる。
英語はさすがにキングスイングリッシュで明確。
何とか片言で確認しながら注文を承る。
せめて自分の店の品物の説明出来るくらいの英語力はきちんと身につけねばと思う。
割子蕎麦と豚南蛮、それとカレー定食のかけ蕎麦ををお出しした。
聞くと北海道一周旅行中だそう。
お会計の時、敬老割引の張り紙を指差して「65オーバー、ツー」と言う。
さすが中国、妙なところにガッチリしてます。
さて、以前からの懸案であった蕎麦の地方発送をやろうかなと考えています。
「にの字」の蕎麦を食べたいけれどなかなか行くことができない、
という遠方のお客様のご要望にお答えしたい。
定休日の一日を割り振れば何のことはない。
11月からの受付開始を考えています。









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