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昔の灯りは60ワットの裸電球。
ソケットのつまみをパチンとひねると暖かい黄色が灯る。
照らし出すのはまぁるいちゃぶ台。
質素なおかずしか並んでいなかったが、食卓には家族の団欒があった。
テレビはまだ無くて、たまにラジオがかかる。
些細な諍いは、一人ひとりの顔を照らし出す電灯が和らげてくれた。
昭和20年代の心温まる光景。
今、住まいは明るくなったが、かえって個の輪郭を白々と際だたさせるだけ。
『孤食』は子供だけではなく大人にまで広がっている。
みんなで囲む食事には行儀や作法が求められた。
箸の使い方などはその最たるものだが、
厨房から見ていると『孤食』のせいなのか、箸使いの下手な人が増えているような気がする。
蕎麦は正しい箸の使い方が試される食べ物。
『ばってん箸』や『にぎり箸』では綺麗に手繰ることは出来ない。
最後に笊の目に引っかかった切れ端は、きちっとした持ち方で直角に摘むと取れる。
茶碗にご飯粒が2,3粒くっついたまま席を立とうとすると怒られた。
お百姓さんが八十八回も手を掛けて作ったお米を粗末にするもんじゃないと。
蕎麦も同じだと思うのだが、洗ったように食べてくださる方は十人に一人ぐらい。
客席に背中を向けて仕事をしているが、そんなお客さんの顔はすぐ覚えてしまう。
歳のせいなのか大根の皮や葉っぱを捨てられなくなった。
大根は皮を剥く前に、たわしでごしごし洗う一手間をかける。
葉のところは元の部分に土が付いているので、これもよく洗う。
1週間分取って置いた皮と葉っぱは、休みの朝の玄米雑炊になる。
皮も葉も5ミリぐらいに切り刻み胡麻油でさっと炒める。
後は『にの字』秘伝の出汁を注ぎ、冷や玄米と少々煮込むだけ。
今週の休みの朝食は、残っていた納豆と漬かり過ぎた人参の糠漬けを加えてみた。
味付は沖縄の天然塩で作った塩麹。
これがなかなか美味いのなんの。
最近の奥様達はスーパーで大根を買うと、その場でボギッと葉っぱをむしり取り捨ててしまう。
笊に蕎麦がいっぱい付いてても何とも思わない、
それと共通の感覚でしょうな。




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