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寒い!
雪も多い!
店脇の除雪の山も2メートルを越えた。
向かいの林の木立、
例年であれば根周りの雪が窪み始める頃だが、
その気配も無い。
時にあらずと、じっと寒さに耐えているのだろう。
読売奨学生。
大学の入学金や授業料を読売新聞社が立て替えて出してくれる。
その代わり4年間の新聞配達が義務付けられるという制度。
貧乏人の家庭の子供にとって、まっこと有難い仕組み。
新聞配達なんてチョロィもんだぜ!とばかりに使わせてもらった。
だが現実は甘くない。
配属されたところは神奈川と東京の境目、東林間読売専売所。
受け持ち部数300部。
小田急線相模原駅の最終電車に積まれてくる朝刊を取りに行くことから1日が始まる。
起床は深夜の1時半。
折り込みチラシを入れて配達作業が終わるのが7時。
専用の部屋なんぞは無くて、専売所のオッサン家族と寝るのも一緒。
夜の8時にはお休みなさいと電気が消える。
膝を痛めたこともあったのだが、半年で辛抱堪らず辞めてしまった。
一番最初、全国からの奨学生が読売ランドに集められた。
アリーナみたいな所で五木寛之の講演を聴かされる。
幼い頃に京都のお寺に養子に出されたと。
心底冷える京都の真冬。
暖房も無い中で冷え切ったせんべい布団にくるまると、
体の熱が布団に伝わりやがて自分を暖めてくれる。
だから君達も今は辛くても頑張ってねと言ってくれました。
最後まで奨学生で頑張ることは出来なかったけれど、
あの時の五木さんの言葉、
今も自分の心の中で生き続け心の支えになっている。
蕎麦屋商売ももうすぐ5年目。
布団の温もりが帰ってきて欲しいなと思うこの頃です。
雪も多い!
店脇の除雪の山も2メートルを越えた。
向かいの林の木立、
例年であれば根周りの雪が窪み始める頃だが、
その気配も無い。
時にあらずと、じっと寒さに耐えているのだろう。
読売奨学生。
大学の入学金や授業料を読売新聞社が立て替えて出してくれる。
その代わり4年間の新聞配達が義務付けられるという制度。
貧乏人の家庭の子供にとって、まっこと有難い仕組み。
新聞配達なんてチョロィもんだぜ!とばかりに使わせてもらった。
だが現実は甘くない。
配属されたところは神奈川と東京の境目、東林間読売専売所。
受け持ち部数300部。
小田急線相模原駅の最終電車に積まれてくる朝刊を取りに行くことから1日が始まる。
起床は深夜の1時半。
折り込みチラシを入れて配達作業が終わるのが7時。
専用の部屋なんぞは無くて、専売所のオッサン家族と寝るのも一緒。
夜の8時にはお休みなさいと電気が消える。
膝を痛めたこともあったのだが、半年で辛抱堪らず辞めてしまった。
一番最初、全国からの奨学生が読売ランドに集められた。
アリーナみたいな所で五木寛之の講演を聴かされる。
幼い頃に京都のお寺に養子に出されたと。
心底冷える京都の真冬。
暖房も無い中で冷え切ったせんべい布団にくるまると、
体の熱が布団に伝わりやがて自分を暖めてくれる。
だから君達も今は辛くても頑張ってねと言ってくれました。
最後まで奨学生で頑張ることは出来なかったけれど、
あの時の五木さんの言葉、
今も自分の心の中で生き続け心の支えになっている。
蕎麦屋商売ももうすぐ5年目。
布団の温もりが帰ってきて欲しいなと思うこの頃です。
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『ぐるなび』というインターネットのサイトから、
貴店の紹介をしたいので、ぜひ登録をと電話があった。
こんな電話は結構掛かってくる。
大抵は有料で、10万単位の広告料と称するお金が入用である。
またそんなんと同じかなと思って話を聞いてると、
なんと無料と言う。
世の中捨てたもんじゃない。
『よしよし!』と登録用紙を送ってもらった。
店舗名、住所、電話番号と書き進めているうちに、
最寄の駅から何分という箇所でペンが止まった。
駅が無い。
バスターミナルはあるが駅が醸し出す雰囲気は無い。
駅は日常から非日常への入り口。
バスは所詮バス、行き先がどんなに遠くても感覚的には日常の範囲である。
鉄道マニアではないけれど、
レールの上を走る乗り物は、乗り込んだ途端に異次元の世界に入り込む。
車窓に流れる風景を見ていると、
毎日の悩み事や困り事を一時忘れることが出来る。
人生の逃避所口、そんな駅がこの街には無い。
だからかもしれないなぁ~、
情緒、風情、趣、どの言葉も我が街にあまり似合わない。
飲食店も非日常の空間である。
しばしの心の逃げ場所。
そんな駅みたいな蕎麦屋もえぇのぉ~。
『最寄の駅は無し』と記入しながら思ってしまいました。
貴店の紹介をしたいので、ぜひ登録をと電話があった。
こんな電話は結構掛かってくる。
大抵は有料で、10万単位の広告料と称するお金が入用である。
またそんなんと同じかなと思って話を聞いてると、
なんと無料と言う。
世の中捨てたもんじゃない。
『よしよし!』と登録用紙を送ってもらった。
店舗名、住所、電話番号と書き進めているうちに、
最寄の駅から何分という箇所でペンが止まった。
駅が無い。
バスターミナルはあるが駅が醸し出す雰囲気は無い。
駅は日常から非日常への入り口。
バスは所詮バス、行き先がどんなに遠くても感覚的には日常の範囲である。
鉄道マニアではないけれど、
レールの上を走る乗り物は、乗り込んだ途端に異次元の世界に入り込む。
車窓に流れる風景を見ていると、
毎日の悩み事や困り事を一時忘れることが出来る。
人生の逃避所口、そんな駅がこの街には無い。
だからかもしれないなぁ~、
情緒、風情、趣、どの言葉も我が街にあまり似合わない。
飲食店も非日常の空間である。
しばしの心の逃げ場所。
そんな駅みたいな蕎麦屋もえぇのぉ~。
『最寄の駅は無し』と記入しながら思ってしまいました。
2月から始めた、鴨のしゃぶしゃぶがメインの蕎麦会席。
12日の日曜日、第1号のお客様の予約が入った。
滝上からいらしてくれる常連のiさん御夫婦。
流氷祭り見物のお孫さんを伴い、大人3名、子供2名の計5名様。
お子様2名は『ちびっこ御膳』の注文。
大人3名様には、『サーモンの塩麹まぶし』、『かすべの煮凍り風ゼリー寄せ』、『ホッキと葱の黄身酢和え』、などなどの酒肴をまずはお出しする。
召し上がり方の速度を見ながら『蕎麦サラダ』の準備です。
平皿に盛った冷たい蕎麦の上に、レタスの細切り、水菜、大根の千切り、
貝割れ、プチトマトなどを載せて特製のバルサミコ酢風味のドレッシングを掛け回す。
このドレッシングのベースは蕎麦の辛汁。
違和感無く召し上がっていただける工夫です。
思いのほかの蕎麦の旨さの一面をご提供した後は、
いよいよ鴨のしゃぶしゃぶの登場。
鴨はベルギー産の合鴨、マグレカナール。
日本国内の厳しい安全基準に適合し、貴重なフォグラを取るために育てられた鴨なので肉質は非常に柔らか。
土鍋に張った出汁に、水菜、春菊をたっぷり添えてお出しします。
鴨はさっと10秒ほどくぐらせたころが食べ頃。
ポン酢でさっぱりと召し上がって頂きます。
そのあと、鴨の旨みが溶け出した汁は蕎麦に繋がる。
残った汁に塩をお好みで加え蕎麦のつけ汁に。
『にの字ワールド』全開です。
締めのお蕎麦はお代わりもいただき、満足の御様子でした。
デザートは別腹、最後はラム酒に漬け込んだドライフルーツが入ったアイスクリーム。
以上、蕎麦三昧『にの字御膳』一人前2500円。
前々日までの御予約をお願いいたしております。
二名様以上四名様までの一日限定一組。
開始は夕方5時以降、当日は貸切となりますので、
お誕生日のお祝いなど特別なお食事にどうぞ御利用ください。
12日の日曜日、第1号のお客様の予約が入った。
滝上からいらしてくれる常連のiさん御夫婦。
流氷祭り見物のお孫さんを伴い、大人3名、子供2名の計5名様。
お子様2名は『ちびっこ御膳』の注文。
大人3名様には、『サーモンの塩麹まぶし』、『かすべの煮凍り風ゼリー寄せ』、『ホッキと葱の黄身酢和え』、などなどの酒肴をまずはお出しする。
召し上がり方の速度を見ながら『蕎麦サラダ』の準備です。
平皿に盛った冷たい蕎麦の上に、レタスの細切り、水菜、大根の千切り、
貝割れ、プチトマトなどを載せて特製のバルサミコ酢風味のドレッシングを掛け回す。
このドレッシングのベースは蕎麦の辛汁。
違和感無く召し上がっていただける工夫です。
思いのほかの蕎麦の旨さの一面をご提供した後は、
いよいよ鴨のしゃぶしゃぶの登場。
鴨はベルギー産の合鴨、マグレカナール。
日本国内の厳しい安全基準に適合し、貴重なフォグラを取るために育てられた鴨なので肉質は非常に柔らか。
土鍋に張った出汁に、水菜、春菊をたっぷり添えてお出しします。
鴨はさっと10秒ほどくぐらせたころが食べ頃。
ポン酢でさっぱりと召し上がって頂きます。
そのあと、鴨の旨みが溶け出した汁は蕎麦に繋がる。
残った汁に塩をお好みで加え蕎麦のつけ汁に。
『にの字ワールド』全開です。
締めのお蕎麦はお代わりもいただき、満足の御様子でした。
デザートは別腹、最後はラム酒に漬け込んだドライフルーツが入ったアイスクリーム。
以上、蕎麦三昧『にの字御膳』一人前2500円。
前々日までの御予約をお願いいたしております。
二名様以上四名様までの一日限定一組。
開始は夕方5時以降、当日は貸切となりますので、
お誕生日のお祝いなど特別なお食事にどうぞ御利用ください。
ユネスコの世界無形文化遺産に『和食』が申請されることになったそうです。
世界中で一番健康的な日本食が登録されると、こんな嬉しいことは無い。
『和食』は引き算の料理。
素材の味を際立たせるためにいろいろな手間を掛け、
その痕跡を消して行く。
たとえば芋の煮っ転がし。
鰹と昆布で取った出汁の中で煮る。
芋の旨みが出汁の中に溶け出し、そのうち出汁の旨みを道連れに本体に戻ってくる。
そこにほんの少々の調味料を足してやれば絶品の芋の煮っ転がしの完成。
薄口醤油で仕上げれば、ただ茹でただけの芋に見えるところが、引き算の料理たる所以。
そんな料理の真骨頂が蕎麦ではないかと思う。
蕎麦と汁。
こんなに簡潔で潔い料理は他に無い。
蕎麦と汁、この二つだけで心もお腹も満たされる食べ物は他には無い。
だからこそ奥が深いのである。
『にの字』の蕎麦も汁もまだまだ発展途上。
『本枯れの節の旨み、ちょっと強過ぎたんで引いといたけど、
どっかな?』なんて台詞がさらっと言えるような、
舌の持ち主になりたいと思うのです。
世界中で一番健康的な日本食が登録されると、こんな嬉しいことは無い。
『和食』は引き算の料理。
素材の味を際立たせるためにいろいろな手間を掛け、
その痕跡を消して行く。
たとえば芋の煮っ転がし。
鰹と昆布で取った出汁の中で煮る。
芋の旨みが出汁の中に溶け出し、そのうち出汁の旨みを道連れに本体に戻ってくる。
そこにほんの少々の調味料を足してやれば絶品の芋の煮っ転がしの完成。
薄口醤油で仕上げれば、ただ茹でただけの芋に見えるところが、引き算の料理たる所以。
そんな料理の真骨頂が蕎麦ではないかと思う。
蕎麦と汁。
こんなに簡潔で潔い料理は他に無い。
蕎麦と汁、この二つだけで心もお腹も満たされる食べ物は他には無い。
だからこそ奥が深いのである。
『にの字』の蕎麦も汁もまだまだ発展途上。
『本枯れの節の旨み、ちょっと強過ぎたんで引いといたけど、
どっかな?』なんて台詞がさらっと言えるような、
舌の持ち主になりたいと思うのです。
先週の金曜日昼過ぎ電話が鳴った。
『こちらミシュランガイドの編集部です。
先日は取材にご協力をいただきありがとうございました。』と言う。
去年の9月にミシュランの取材が来たことは、
この蕎麦日記でも報告しました。
15人しかいない田舎の高校のサッカー部の試合に、
セリエAのスカウトが来たようなもんだよと、書いた覚えがあります。
『最終確認なんですが、営業時間、定休日など取材時に伺ったことなどに変更事項は無いですか?』とおっしゃる。
『あ、ありませんが……』と店主。
『わかりました、では。』電話は切れた。
4月に北海道版のミシュランガイドが発刊される。
まさか星なんぞは付くことは無いと思うが、
選考の最後の網に掛かったことは確かかなと思う。
席数12のちんこいこの店。
メディァに取り上げられるのは大変ありがたいのだが、
4年前の開店以来、この店を支えてきてくださった常連のお客様が来づらくなる様な状態になっては困るのである。
ほどほどに混み合い、たまには厨房から出てきて、
『おっきくなったなぁ~、そっかぁ、4月から1年生か!』
なんておしゃべりが出来る店であり続けたい。
大好きな作家、椎名誠。
六本木にあるチョー有名な蕎麦屋に入ったときのこと。
誠ちゃんは『せいろ』連れ合いは『天せいろ』を注文。
先に運ばれてきた『せいろ』は三口で無くなり、
後はビバルディーの四季田園を30分以上聞かされたときの感想。
蕎麦屋にはテレビだ。
ずずっと蕎麦を手繰り込む音に合うのは、テレビから流れてくる『さざんかの宿』だそう。
気持ち分からんでもありません。
まっ、たかが蕎麦屋が、お高くとまるんじゃねぇ~よ、と言うことですな。
『あの有名な』とか、『究極のこだわりの』とかの前置きは、付けるつもりもないし欲しくもない。
『にの字』の一番嬉しい形容詞は『近所のふつうの美味しい蕎麦屋さん』です。
店主厳選のJAZZをゆったりと聞きながら,
窓一面の空に心を解きほぐし、ご家族みんなで蕎麦を楽しんでいただきたい。
『ご近所和み系蕎麦屋ランキング』なんていうものがあったら、
一番を目指したいなと思ってます。
『こちらミシュランガイドの編集部です。
先日は取材にご協力をいただきありがとうございました。』と言う。
去年の9月にミシュランの取材が来たことは、
この蕎麦日記でも報告しました。
15人しかいない田舎の高校のサッカー部の試合に、
セリエAのスカウトが来たようなもんだよと、書いた覚えがあります。
『最終確認なんですが、営業時間、定休日など取材時に伺ったことなどに変更事項は無いですか?』とおっしゃる。
『あ、ありませんが……』と店主。
『わかりました、では。』電話は切れた。
4月に北海道版のミシュランガイドが発刊される。
まさか星なんぞは付くことは無いと思うが、
選考の最後の網に掛かったことは確かかなと思う。
席数12のちんこいこの店。
メディァに取り上げられるのは大変ありがたいのだが、
4年前の開店以来、この店を支えてきてくださった常連のお客様が来づらくなる様な状態になっては困るのである。
ほどほどに混み合い、たまには厨房から出てきて、
『おっきくなったなぁ~、そっかぁ、4月から1年生か!』
なんておしゃべりが出来る店であり続けたい。
大好きな作家、椎名誠。
六本木にあるチョー有名な蕎麦屋に入ったときのこと。
誠ちゃんは『せいろ』連れ合いは『天せいろ』を注文。
先に運ばれてきた『せいろ』は三口で無くなり、
後はビバルディーの四季田園を30分以上聞かされたときの感想。
蕎麦屋にはテレビだ。
ずずっと蕎麦を手繰り込む音に合うのは、テレビから流れてくる『さざんかの宿』だそう。
気持ち分からんでもありません。
まっ、たかが蕎麦屋が、お高くとまるんじゃねぇ~よ、と言うことですな。
『あの有名な』とか、『究極のこだわりの』とかの前置きは、付けるつもりもないし欲しくもない。
『にの字』の一番嬉しい形容詞は『近所のふつうの美味しい蕎麦屋さん』です。
店主厳選のJAZZをゆったりと聞きながら,
窓一面の空に心を解きほぐし、ご家族みんなで蕎麦を楽しんでいただきたい。
『ご近所和み系蕎麦屋ランキング』なんていうものがあったら、
一番を目指したいなと思ってます。