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いつになく長い秋だなと思っていたら、きっぱりと冬が来た。
『にの字』の周りは白一色。
しぶとく飛び回ってた天道虫も姿を消した。
蕎麦打ちよりも除雪に体力を使い果たす季節がまたやって来た。
いつまでこんな無理が利くのかなと、ふと頭をよぎるがまだまだ大丈夫。
吹き溜まりは承知の上でここに構えた店。
やってやりましょうという戦闘意欲は衰えてはいない。
吹雪の収まった朝、店の玄関を開けると腰までの積雪。
午前2時には始めなければ蕎麦が間に合わない。
やれやれと思うが、除雪機を使っての作業は嫌いではない。
1メートルの幅の除雪の跡を一本二本と広げていく。
店前と店裏を併せると200坪の面積。
業者に依頼すると一冬25万円だそう。
ひっくり返ってもそんな余裕はありません。
どうか今年も友達付き合いが出来る冬将軍でありますように。
さて、11月の後半になってお客様の入りが落ち着いてきた。
峠が冬道になり、地方の方が減ったことも一因かなと思う。
そこそこに賑わって、パートさんにきちんと給料を払い、
つつましく食べていければそれでいい。
無我無欲。
一切の飾りを捨てる蕎麦の道と繋がるような気がする。
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スパーで買ってきたほうれん草などの野菜を、50度のお湯で洗うと、鮮度も風味も保たれるという調理法がブームである。
50度のお湯というと結構な熱さ。
手を浸けておくなんてことはできない。
この温度が植物の細胞に何らかの変化を促すという。
肉や魚の解凍にも使えるというので、鴨の解凍で試してみた。
48度でも52度でもダメだそうなんで、調理用温度計は必需品。
ガチガチに凍った鴨の胸肉を、お湯を張ったボールに放り込む。
温度の低下は否めないので、ラップを張り途中2回ほど差し湯。
7分間泳がせる。
引き上げてみると半解凍状態よりは若干解凍が進んだような感触。
包丁を入れてみて驚いた。
ドリップの出方が極端に少ないのである。
表面の2、3ミリは変色しているかと思ったがそんなこともない。
後はいつものように日本酒で煽って臭みを抜く。
食べてみて2度びっくり。
柔らかさ、風味ともに今まで調理していたものよりは格段上である。
この美味い鴨は今週からお出しする。
ご注文お待ちしています。
さて、お江戸の昔から蕎麦屋風邪ひかぬ、と言われてきた。
馬鹿ばっかりだからかもしれないが、
釜の湯気が体に良いらしい。
自分も蕎麦屋を始めてから4年間、風邪とは無縁でいられたが、
今回やられました。
定休日の月曜日、寒気がするので計ってみると39度3分。
オヨヨと布団に潜り込み、酒も飲まずに翌朝6時まで爆睡。
今朝は熱も下がり、ほぼ回復。
低温調理に夢中になっている間に、高温調理されちゃいました。
先日の網走『そば切り温』さんに続き、嬉しい同業者の来訪。
一茶庵系列の美しい蕎麦を打つ、温根湯の鈴木さんが来てくれた。
9月に一度来て頂いたのだが生憎の売り切れ仕舞い。
今回は遠軽まで用事を足しに来たついでだよ、と仰るが遠路遥々有難いことである。
鶏南蛮を食べられた後、小一時間ぐらい蕎麦関係の話で盛り上がった。
一匹狼みたいな輩が多いこの業界、
気を遣わずにいろんな事を話し合える知人は心が癒される。
温根湯は『山の水族館』が予想を超える人気で賑わっているそう。
『すゞき』もその影響で大繁盛しているようだ。
だが本人曰く、『常連さんが入れなくなってさ~、参っちゃうんだよね』と。
その言葉を聞き、あっ、この人の商売の立ち位置は自分と同じだと思った。
当店もミシュランガイドに取り上げられてから、地方からのお客様が激増した。
その結果生じた事。
開店以来、店を支え続けてくれた常連のお客様の一部が離れてしまった。
本当に申し訳ないなと思うが如何ともし難い。
最近はお客様の入りも落ち着いてきたので、
出来るだけ売り切れにならないように仕込みの量を調整して、
閉店時間の7時まで営業することが自分に出来る事。
そうすればまた戻ってきてくれると思う。
何事も『ほどほどに』が肝要である。

10月の末からずーっと雨。
風も強く気が滅入るような天気が続いている。
そのためか、お客様の入りも今一つ芳しくない。
おまけにバイパス沿いに牛丼の『すき家』が開店した。
当店の客層とは異なると判断していたが、
ちょっと気になったので見に行くと、
なんと30台以上の車の列。
言っちゃー悪いが、こんな店にこの行列である。
聞くところによると、店内の飲食よりお持ち帰りが繁盛していたそう。
『家飲み』『家食べ』が大はやりの今の時代だが、
パジャマを着たまま、ボサボサ頭のまんま、
280円の牛丼を食べても心は満たされないだろう。
外食は非日常の領域。
着替えをし父親のポマードで髪を分けられて、
出かけた子供の頃のワクワク感を今でも覚えている。
たまにはそんな気持ちを家族で味わうのも良いのではないか。

妻の母が死んだ。
親と呼べる人をすべて失った。
寂寥。
なんとも寂しいものですな。
その店は網走の天都山の中腹に建つ。
2年ぐらい前の日記に書いた記憶があるので、覚えている方もいらっしゃるかもしれない。
わかりずらい場所にあるということでは当店と肩を並べる。
なにせ道々から100m以上林の中の砂利道を進んだところにぽつんとあるのだから。
昭和の時代の農家の一軒家を改装し使われている。
一番最初に訪ねた時には、親戚のばあちゃん家へ来た様な錯覚にとらわれた。
BGMは無い。
林を吹き抜ける風の音と、小鳥のさえずりが聞こえるだけ。
心なしか蕎麦を待つお客さんも寡黙がち。
蕎麦は旨い。
天ぷらなどの料理も丁寧に作られており、ご主人の几帳面さが伺える。
ゆるゆると流れる時間の中に身を置き、蕎麦を手繰ると心も体も癒されるような気がする。
そんな素晴らしい店のご主人と奥さん息子さんの3人が、わざわざ店を休んで先週の水曜日に訪ねてきてくれました。
たまたま時分どきを過ぎても、立て込んでいたためほとんど話はできなかったが、
握手をした手の平の感触が、自分と同じ蕎麦屋の手そのもの。
頑張ってやっていきましょうという気持ちが電流のように伝わってきた。
中村さん、ご家族の皆さん、ご来店ありがとうございました。
そしてこの蕎麦日記をご覧の皆様、そば切り温さんへ一度行ってみてください。
時計も携帯電話も車の中に置き去りにして、
ゆったりと蕎麦を味わってください。
これからの季節、牡蠣の天ぷらがおすすめです。
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